人口増加に警告-このままでは経済成長のさまたげ(Milliyet紙)
2005年07月12日付 Milliyet 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、以前行った発言とは反対に“急速な人口増加”に着目した。またトルコ大国民議会のビュレント・アルンチ議長は、「我が国での人口増加は、経済発展が十分な水準に達する妨げとなっている」と語った。

エルドアン首相とアルンチ議長が、世界人口デーを機に発表した“急速な人口増加”に着目するコメントは、エルドアン首相の過去の発言を議論の俎上に載せる一方、公正発展党(AKP)の主張の転換を明らかなものにした。
エルドアン首相は昨日発表したコメントについて、目標は適正な人口増加を確保することであると述べ、さらに、世界人口政策の目標は、現存する人口のダイナミックな力を活用しながら、より高い生活水準に達する可能性を高めることにあると語った。
一方アルンチ議長は、急速な人口増加がトルコや世界の最重要課題の一つであり、人口増加が貧困や後進性に拍車をかけ、天然資源に対する大きな圧力になっていると述べた。
急速な人口増加が生活水準の低下を導くことを強調するアルンチ議長は、次のようにコメントした。「我が国では人口増加率の高さが、経済成長が十分な水準にまで達する妨げとなっている。行われている施策の成果は現れず、あらゆる努力の甲斐もなく目の前にある問題は大きくなっている。そのため、目標は経済成長率を高めるのみならず、同時に人口増加のスピードを均衡あるものにすることである」。

■“まだ高い”
 アフメト・ネジュデト・セゼル大統領もコメントで、トルコにおいて人口増加のスピードは緩やかな局面に入ったとし、「全国民によりよい教育や保健、社会的なサービスを提供したり、所得水準を向上させたり、適正な人口規模を構成するには現在の人口増加率はまだ高い水準だ」と述べた。

■“何が何でも”と呼びかけていた
エルドアン首相は2002年3月、イスタンブルのAKPスルタンベイリ郡支部の開設に際し、国民に次のように呼びかけていた。「国民に対し人口を増やすなと呼びかけることは、祖国への裏切りであり、国民を減少させ、歴史や世界から消し去ろうとする企てそのものである。人口がなく、国民が存在しなければ、この国において経済問題は生じないと言う者がいる。国民は増加する必要があるのだ。我々はそう考えている。何が何でも、アッラーが何をお与えになろうとも!人口を増やそう、そして豊かになろう」。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:429 )