目下閣議において討議中:政府-民間セクター協力によるカイロ開発・汚染抑止計画(アル・アハラーム紙)
2005年06月18日付 Al-Ahram 紙

目下閣議において討議中:
政府-民間セクター協力によるカイロ開発・汚染抑止計画

【イサーム・アブデルカリーム】

民間セクターとの協力による数々のカイロ開発、汚染・人口密集・交通問題抑止計画を通じて首都の文化的な姿を回復するという意欲的プロジェクトを実施するための手法に関する検討を政府が進めている。これは環境保護を含めたミレニアム包括的開発目標の一環として行われるもので、プロジェクトを通じて8億6300万ポンドをかけたエル=マダービグ、アブー・エル=サウード両地区開発計画、政府施設再配分・都心外移転、乱雑密集街区公園化・商業活動誘致、及びカイロ、ギザにおけるナイル沿岸通り開発計画が実施される。

閣僚会議筋によると、エル=マダービグ、アブー・エル=サウード地区開発実施の手法について討議が進められており、カイロ外での新街区建設が開始され、環境汚染につながる諸活動及び工業が同地に移転する見込みだという。地区は3段階を経て実施される計画を通じ、文化的再整備が行なわれ、観光面、建築面のいずれにおいてもその重要性を活用できるようなものに生まれ変わるという。

現エル=マダービグ地区の半分に相当する70フェッダーンの土地は経済活動に利用され新エル=マダービグ地区建設・基本内部構造構築費用支払いに充てられることが決まっており、この支払いは新地区計画が実施され次第直ちに開始するとのことである。

また同計画の受益者に対する機械・備品類更新費用融資は社会開発基金がとり行うことも決定され、計画が環境に与える影響に鑑みて国際協力省が外部構造に対するできる限りの融資提供に協力するという。

同筋が明らかにしたところによると、首都開発計画には複数地域への庁舎再配分が含まれているが、これによりカイロ中心部にかかる負担の軽減、現存する密集状態の抑止、公共施設への負担軽減が目指される。この計画の一環としてカイロ県は住宅・文化・観光各省と連携し、280件のブリキ小屋があるマラーイブ・シーハーという名で知られるカイロ城壁地域の乱雑密集地区開発プロジェクトを実施する。

カイロ県の報告ではプロジェクト同地区の239家族が既にエル=ナハダ地区の新しい居住施設へと移転したとのことで、これはスーザン・ムバーラク夫人協賛の下で行われたゼインフム地区計画に倣ったものとなった。マラーイブ・シーハー乱雑密集地区については文化、環境面で有効活用されることになっており、5フェッダーンの土地が遊び場や緑化区域、そして民間セクターが参与する商業地域に変えられる。

更に閣僚会議が受け取った報告によれば、人口密集防止と施設にかかる負担の軽減及び首都の美観回復を目的としたカイロの指定地域における建築物高さ制限が提議されたとのことである。

報告には古代エジプト、コプト、イスラームの各時代にまたがる遺跡群を保護し破壊から守るための各種方策、遺跡地域および周辺に居住する住民に対する補償計画についての包括的な情報が含まれている。

この閣僚会議筋は、エル=アズハル地区開発計画の一環としてエル=アズハル地区における交通渋滞緩和を狙ったサラーハ・サーリム通りとポート・サイード通りとをつなぐエル=ガマーリーヤ北ルートの完成が決定したとも伝えている。同時に当該地域における交通緩和のためのエル=アズハル多層式駐車場計画の完了が急がれておりこれについては文化的に実行される見込みである。またエル=アズハル通りとエル=ムイッズ通りの開発も継続されるとのことである。

現在政府はカイロからヘルワーンまでのナイル川沿い通りの開発、同地域にある重工業の移転とナイル川汚染要因除去、市民のための無料通行路建設についても検討中だという。

【訳者注】

フェッダーンは土地面積の単位。1フェッダーン=約4200平方メートル。

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( 翻訳者:小山 )
( 記事ID:258 )