首につけた身分証が仇-アドゥヤマンで兵役の兵士をテロリストが誘拐(Milliyet紙)
2005年07月12日付 Milliyet 紙
アドゥヤマンで兵役に就いていた保安隊のジョシュクン・クランドゥ隊員が、休暇で出身地のトラブゾンに向かう途中、トゥンジェリでテロリストに乗っていたバスから降ろされ誘拐された事件で、アクチャ―バット郡にある彼の実家は悲しみに沈んでいる。
誘拐されたクランドゥ隊員が、家族を驚かせるため7月17日に帰郷すると伝えていたが、実際には昨日から休暇に入っていたことが明らかになった。
兵士は(その)地域ではテロ発生の恐れがあるためバスでの移動が禁止されているにもかかわらず、クランドゥ隊員はバスで移動していたことが判明した。
バスターミナルの警備員や道路で検問をしていた兵士に一般市民としての身分証明書を提示していたことも判明したクランドゥ隊員は、道を遮りバスを停車させたテロリストにも一般人の身分証明書を提示したが、最後にはテロリストに首にかけていた軍人の身分証が見つかったため誘拐されたと伝えられた。
バスの乗客の話では、クランドゥ隊員の身柄をテロリストに渡したくはなかったが抵抗することもできず、テロリストは「私たちは彼に危害を加えるつもりはない。2日後に解放する」と言ったという。
■事件はテレビで知った
アクチャーバットのヤイラジュック地区に住むクランドゥ隊員の家族は、息子が誘拐されたことをまずテレビで、次いで軍高官からの電話で知った。
家族はこの知らせを聞いてショックを受ける一方、親族も事件を知ると次々に家族のもとを訪ねた。プロパンガスの販売店で作業員として働いている父親のイルハン氏(44)は、家族を元気づけるためやって来た人と話している最中も涙が止まらなかった。
「ジョシュクンは一人息子だ私の中で怒りがこみ上げている。息子が一刻も早く救出され、安全に戻ってくることを望んでいる。」と述べた
■“一人息子だ。心配でたまらない”
トゥンジェリで昨日、PKK(クルド労働者党)のメンバーにより誘拐された保安隊のジョシュクン・クランドゥ隊員の、トラブゾン県アクチャーバット郡にある実家では、家族が不安を感じながら彼の帰りを待ち続けている。家を訪れる親類は、2人の子供を持つ父親、イルハン・クランドゥ氏を慰めようと努めている。イルハン氏は「ジョシュクンは一人息子。心配でたまらない。息子が一刻も早く救出され、無事に戻ってきてほしい」と話している。
■“近いから、とトゥンジェリを選んだ”
誘拐されたジョシュクン・クランドゥ隊員の親族、メティン・クランドゥ氏は、彼がテロリストに一般市民の身分証明書を提示したにもかかわらず、首にかけていた身分証を見られたため誘拐されたと説明した。
軍高官と話したというメティン・クランドゥ氏は次のように述べた。
「トゥンジェリへの出入りの際にバスは検問を受け、兵士であれば乗車は許可されない。ジョシュクンはトゥンジェリの入口で検問していた兵士に一般人の身分証を見せたらしい。テロリストがバスを停車させたとき、彼らにも一般人の身分証を見せたが、乗り込むときに首にかけた軍人の身分証を見られ、兵士であることを知って誘拐したらしい。バスの乗客はジョシュクンを渡すこと拒んだが、テロリストは「我々は彼に危害を与えるつもりはない。兵士に用はない。2日以内に解放する」と言って連れて行った。ジョシュクンはマラトヤ経由でも帰ってこれたが、別の道がより近いので、一刻も早く家族に会いたくてエルズィンジャンのルートを選んだようだ」。
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( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:428 )