イスタンブルとロンドンを結ぶ線-イスタンブルでのテロと同一組織の犯行か?(Milliyet紙)
2005年07月10日付 Milliyet 紙
ロンドン同時テロで、世界が用意周到な国際テロの脅威に直面していることが、改めて明らかになった。今回のテロ事件では、イスタンブルで2003年11月15日と20日に発生した2ヵ所のシナゴーグ、英総領事館、英国系銀行(HSBC)へ爆弾を仕掛けたのと同じ、アルカイダ系の「アブハフス・アブマスリ旅団」と名乗る組織が犯行声明を出した。同旅団の名前は、スペインの首都マドリードで191人の死者を出した列車爆破事件でも使われた。
■よく知られている名前
ロンドン・マドリード・イスタンブルのテロ事件で同じ名前が挙がったことで、3つの事件の関係が間接的に示されたことになる。犯人グループは昨日、「Islami Web」というインターネットサイトに、ロンドン同時テロの犯行声明を出し、再度攻撃する可能性も示唆した。
アフガニスタンで殺されたアルカイダの有力メンバーから名前を取ったというアブハフス・アルマスリは声明の中で「戦士たちがイギリスの首都をテロ攻撃し、多くの犠牲者や負傷者が出た」と述べている。インターネット上で同旅団の名前で流されたアラビア語の声明では、次のような表現が使われていた:
我々の言葉は風で飛んで行ってしまいはせず、キリスト教徒の心を脅かす攻撃はやまなかった。アブハフス・アルマスリ旅団の戦士軍が我々をののしる者を攻撃したことをアッラーに感謝する。我々の聖戦が成功しますように。今後、イスラムやムスリムを攻撃する者に対する我々のジハードはさらに拡大するだろう。ムスリムが、イラク・アフガニスタン・パレスチナで平穏に暮らせるようになるまで、黙ってはいられない。
■“死の車”
アブハフス・アルマスリ旅団を名乗る組織が2年前にイスタンブルで起こしたテロ事件は、荷物を積んだ車を使って行われた。その時の犯行声明では「死の車は、アメリカが我々の条件をのむまで続くだろう」という表現が使われた。トルコに関しては、「アメリカの代理人のトルコ政府よ、ブッシュと平和のどちらを取るのかはっきりさせなさい。十字軍から離れてイスラム世界に戻ってきなさい」と勧告した。テロ攻撃に終止符を打つための条件として、(1)トルコ軍をアフガニスタンから撤退させること(2)イスラエルとの関係を断ち切ること(3)アメリカ軍に自由に活動させないことを挙げた。今回のテロ事件は同旅団のほか、「欧州の聖戦アルカイダ秘密組織」の名前でも犯行声明が出されていた。
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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:416 )