学生の文化に対する見方--トルコ現代芸術における内外の文化(Milliyet 紙)
2005年07月19日付 Milliyet 紙

 結婚、女性の置かれた状況、処女性、移民、そして他にも多くのテーマが学生の視点で描かれ、「内外文化芸術」という展覧会に集められた。
 ボル・イゼット・バイサル芸術学部で学ぶ34人の学生の作品で構成された「内外文化芸術」という名の展覧会が、アーティストギャラリーで開催された。この展覧会は“文化”を様々な次元から取り上げ、問いただしている。ユルドゥズ・ドイラン助教授が準備した展覧会で、学生は、写真、インスタレーション、油絵、デジタル、そして自由版画といった手法を用いている。芸術家たちが、自らの置かれた文化と、外の文化双方への理解を芸術という手段を用いて表現した展覧会について、ドイランは私たちの質問に答えた。

Q:なぜ、特別に“内外文化”という用語を使いたいと考えたのですか?

A:「EUについて取沙汰されるようになってから、“文化”というテーマは頻繁に議論されるようになりました。あらゆる人々によって話し合われるようになったのです。私たちは、多くの文化が相互に影響し合う国で生きています。私の学生たちも、一人一人が異なる街から自分の文化を持ってやって来ています。彼らであれば、今回のコンセプトを問いかけるのに最適だと考えました。トルコには、社会的、政治的、そして経済的変化が急速に起こっているという現実があります。その意味では、西洋からの影響はあまりに多く私たちに降りかかってきています。これを取り入れ、即保護したいという私たちの願いを取り上げています。」

Q:若い芸術家たちは“文化”についてどの様な視点を提示しているのですか?

A:「この文脈で展覧会に反映されているように、現代美術における取捨選択的な文化構造が、若い力が生み出した作品でテーマとされていることは、ある意味では自らの文化と西洋文化を前にした彼らの状況を問いただす形となっています。学生たちは、自らの持つ文化と他の文化を一つのるつぼに融合させようとしていました。神秘的という点では、宗教に根ざした作品が生まれました。移民問題、または処女性を取り上げたものもありました。」

■若者の傾向
Q:一つのコンセプトの下で製作することに特別な理由はあったのですか?

A:コンセプトに基づいた製作の理由はこうです。現代美術では一般的に、若者は一つのコンセプトの下に置かれると、知性を働かせ、全身全霊をかけて行動に移るものです。あらゆる感性を働かせることができようになるわけです。そしてこれがある意味では全ての手法を使うきっかけともなります。

Q:展覧会では油絵から写真まで、じつに多くの手法が用いられたようですが・・・
 
A:学生たちは、伝えたいと思うことにふさわしい手法であれば何であれ、それを使いました。そもそも作品にはすべて主張があります。学生が自分の主張を作品において構築することができなければ、私は認めません。また、展覧会には若者の一般的傾向を反映した絵画も取り入れました。


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( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:485 )