服のまま泳ぐよりはマシ!-スカーフ着用者用水着論争(Milliyet紙)
2005年07月14日付 Milliyet 紙
ヒュッリイェト紙のコラムニスト、アフメト・ハカン・ジョシュクン氏は、自身のコラムで「スカーフを巻いて海に入っちゃだめだ。(イスラム風)スカーフ型水着は見苦しくて滑稽」と言ったところ、「この水着は必要があって作られたものだ。服を着たまま海に入るよりはいい」と、スカーフ型水着の生産者は反論した。
ジョシュクン氏が「成金商人の発明品」と評したスカーフ型水着の生産者は、「我々は商人ではない。この製品は必要があって生まれたものだ」と述べ、次のように反論した。
■「彼は専門家ではない」
テクビル・ギイムのオーナー、ムスタファ・カラドゥマン氏:この問題について、アフメト・ハカンは専門家ではない。なぜなら彼は篤信家ではないからだ。水着も、スカートやブラウスのようにベールの下に身に着けるべき衣装だ。海に入るための服だからといって男性のいる場所で着るのは正しくない。美的でないと言うが、着ているファッションモデルも大変気に入っている。今期の売り上げは増えている。
■「子供用もある」
ラヌナ・テクスティルの共同経営者、オメル・コルクマズ氏:スカーフ型水着はスカーフで頭を隠す女性たちにとって必須のものだ。我々は美的要素も考慮に入れている。毎年モデルを変えている。最初に作ったときは「これはパジャマか、トレーニングウェアか?」とからかわれたが、今はチェーン店が3月から商品を欲しがるほどだ。サイズは一番小さいものから一番大きいものまである。なぜなら小さな女の子用の需要もあるからだ。
■「マイルックも気に入った」
ハシェマ・テクスティルのオーナー、メフメト・シャーヒン氏:アフメト・ハカンは、ハシェマに関する新聞記事にもテレビ番組にも目をつむり、見ていないようだ。(ファッションデザイナーの)ユルドゥルム・マイルックでさえ、「僕はいいとは思わないけど、流行に合ったものを作っているとは思う」と言っている。流行に合っているとは、生地の色やデザインのことだ。我々は流行に合うよう努めている。私はこの分野に、海に服やズボンを履いて入る人たちに一定の秩序を与えるために参入した。最初は男性用から始めたが、2年間軌道に乗らなかった。なぜならどの会社も長いボクサーパンツを生産しているからだ。私たちは成金でも商人でもない。大学で学んだ人間だ。彼の言うことを否定する。
ビルケント大学経営学部のオズレム・サンドゥクチュ助教授:ブルジョワ化した社会階級は消費を志向する。これは篤信的な人々にも当てはまる。社会の消費性向は、何についてでであれ、こうした社会階層が自分たちに合うよう調整する。これは、スカーフ型水着のような生産物となって現れる。
■「これほど見苦しい服は見たことない」
スカーフ姿で海に入る人たちを批判したヒュッリイェト紙のコラムニスト、アフメト・ハカン・ジョシュクン氏は、スカーフ型水着を滑稽なものだと評した。ジョシュクン氏は、昨日の「スカーフを巻いて海に入っちゃだめ」というタイトルのコラムで、「スカーフ型水着という名前のおかしな服に反対する唯一の理由は、それが美しくないということだ。スカーフ型の服を売ってどんどん豊かになる“成金”商人たちの発明品である「スカーフ型水着」をファッションモデルが身に着けているのを見たとき、私は間違いなく笑い、また恥ずかしがっていたはずだ。なぜなら私は今までこれほど見苦しく、滑稽な服を見たことがなかったからだ」と書いた。
■体に張り付かない生地を採用
スカーフ型水着は、水を弾くため体に張り付かない生地で作られている。水の中で開かないようにするために、すそと腰周りにもゴムひもが使われている。すべてのモデルで帽子の中に髪を集めて入れる仕組みで、その上にあるフードと首巻きの間に2つ目のベールがある。水着の生産者は、この水着は服を着て海に入るよりいいと説明している。価格は6千万~7千500万リラで、今年は特にピンク、紫、緑、ターコイズ色が好まれている。青は毎年最も人気のある色で、余計な模様は必要ない。
■「スリップ型水着も変」
ハムディ・ドンデュレン教授(ウルダー大学神学部イスラーム法学科長):公衆の面前で海に入ることは好ましくないし、正しいことでもない。人気のない場所を選んで海に入る権利も、ベールをして入るのも自らの信仰を守るためだ。心理的にも、見た目の点でも、混み合ったビーチで多くの女性がベールをかぶって海に入るのは、人目を引き、好ましくない。だからといって止めることもできない。スカーフ型水着を着用することで安心して海に入れるとも思えない。妥協点を見いださなくてはならない。
スィベル・エラスラン氏(ヴァキト紙コラムニスト):人は存在する道を見つけるために努力を払っている。これは移り気で、探求の過程では見た目が美しくない可能性もある。今、女性たちが美的感覚から外れたスカーフ型水着を身に着けている。しかしこれに反対するべきではない。人間らしいと思う。時間が必要だ。記事には私を中傷する部分もある。女性たちに関して話すことは簡単だ。スカーフをした女性について論じるのはとても容易だ。たとえば男性用のスリップ型水着も、私から見れば美しくなく変なものだが、そのような記事は書かれなかった。
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( 翻訳者:佐藤淳也 )
( 記事ID:445 )