2人のPKK「テロリスト」の遺体をめぐり軍と住民衝突、ヴァンで1人死亡9人負傷(Milliyet紙)
2005年06月22日付 Milliyet 紙
ヴァン県ギュルプナル郡で軍警察により殺されたPKK(クルド労働者党)のテロリスト2人の遺体引渡しを望むデモ隊と軍警察の間で衝突が起こった。戦争さながらの様相を呈した衝突で、デモ隊員1人が死亡し、記者も含め9名が負傷した。
PKKのテロリスト、ジェヴヘル・イシナズとメフメト・バザン・シャーヒンは、ギュルプナルで起こった6月17日の衝突で、治安部隊により殺害された。検察の許可を受け、2人のテロリストの遺体は、遺族により身元確認されることなく日曜の夜ヴァンのセイランテペ墓地に埋葬された。この対応に納得できないイシナズとシャーヒンの両遺族は、遺体を墓地から掘り起こし、引き渡すよう要求した。DEHAP(民主人民党)ヴァン県責任者アブドゥラッフマン・ドアルも遺族に代わって検察へ申請した。検察の許可を得た上で、2人の遺体を墓地から出し、シャーヒンはアダナに、イシュナズはヴァンのボスタニチ市に埋葬する準備が進められた。
■オジャランのスローガン
この進展を受けて昨日、DEHAPの建物の前に集まったおよそ300人のPKK党員はアブドゥッラー・オジャラン支持のスローガンを叫びながら、ボスタニチ市へ向かってデモ行進した。道中で合流したり、ボスタニチで待ち構えていた人々を加え、デモ隊は3千人規模に膨れ上がった。ボスタニチ市の境界で治安維持の任務に当たっていた軍警察と警察は、入り乱れた無許可のデモに対し解散を要求した。
治安部隊の警告をデモ隊が無視すると、緊張は一挙に高まった。石やこん棒を使って抵抗するデモ隊に対し、軍警察と警察は介入。田や路地へ逃げ込んだデモ隊員らが治安部隊へ投石すると、治安部隊は人数を増強して対応した。ヴァン警察署でデモの許可は無効にされ、全警察官がボスタルチに派遣された。
■まるで戦争
デモ隊員による投石やこん棒での攻撃に対し、治安部隊は空へ向かい発砲し、催涙ガスを用いた。辺りは一瞬の間に戦場に変わった。治安部隊は装甲車を盾代わりにして身を守り、介入を続けた。この間、事件を写真に収めようとした記者らは両側に包囲される形となった。およそ一時間後に制圧されたこの事件で、デモ隊員のファフレッティン・イナンチ(19)が武器で打たれ死亡した。足を負傷した警察官ムスタファ・カヤと、デモに参加し多数の傷を負ったラーヒミ・アスラン、メナル・イペキ、ギュラン・ビレッキ、エクレム・アイドゥンがヴァン国立病院へ運ばれ治療を受けた。医師は負傷者の容態は悪くないと話した。負傷した3人の記者も足の治療を受けた。
事件はこれ以上拡大せず、セイランテペ墓地から掘り起こされたシャーヒンの遺体は遺族によってアダナヘ送られた。また、事件が発生したボスタニチに葬られるはずだったジェヴヘル・イシナズの遺体は埋葬されず、親族がどこかに運び去った。事件後、多数のデモ隊員が逮捕されたが、ヴァンの中心とボスタニチ市では、警察と軍警察が治安維持体制を強化した。
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( 翻訳者:塚田真裕 )
( 記事ID:287 )