EU加盟問題でトルコへの保証-次期議長国イギリスのブレアから確約(Milliyet紙)
2005年06月24日付 Milliyet 紙

 イギリス首相は欧州議会で行った演説で「トルコのようにEUの将来において地位を占めることを望む国々に対しての諸責務を実現するよう努めます」と述べた。

 7月1日にEU期間議長国の職務をルクセンブルクから受け継ぐことになっているイギリスは拡大問題でトルコを優先的に扱った。イギリスの6ヶ月プログラムを欧州議会で発表したイギリス首相トニー・ブレアは、「10月3日のトルコとの交渉を始める問題における諸責務を実現する」とのコメントを発表した。
 ブレアは、欧州議会総務会で行った演説で、EU拡大問題に積極的に取組続けることを表明し、「強いヨーロッパは、自らの拡大を脅威として考えることはできない」と述べた。トルコの問題を期間議長(期間に実行すべき)優先事項のひとつとみなすブレアは、「トルコやクロアチアのようにEUの将来において地位を占めることを望む国々に対する責務を実現するよう努めます」と述べた。

■完全加盟を強調
 イギリスの6ヶ月プログラムに関する文章においてもトルコは、「拡大」という項の中の最初の行に名前が出ていた。プログラムにおいては、「EUがトルコと10月3日に加盟交渉を始めると約束したことを実現するよう努める」と説明した。トルコとの交渉のゴールが、(加盟と)決まったものではないという表現が多くの文章で述べられてきたが、イギリスはこの問題に関して肯定的な表現を用いることを選択した。イギリスが完全加盟を強調して発表したことは、注意を引いた。
 イギリスのプログラムにおいて、この枠組みで交渉を始めることがEU側の重要な一歩になることを強調した。文章においては交渉過程に関し、「トルコの加盟によってゴールを迎える(加盟交渉)過程が始まる」と定義した。
 
■大演説
 EUにおける危機の「スケープ・ゴート」と見られているブレアは、欧州議会でデモンストレーションを行った。EUが、変わりゆく世界に歩調をあわせていく必要があることを強調するブレアは「創立から50年たつ連合自体を新しくせざるをえない。躊躇することなく、(EUの)全ての機関を新しくしなくてはならない。ヨーロッパの変化を望む国々を裏切り者だと責めることはできない」と述べた。EUにはリーダーシップの問題があると述べたブレアは、拡大を止めても雇用を生み出せないことを強調し、「(拡大)経過の停止が新しい軋轢を生みかねない」と述べた。(EUが提示した)社会的モデルの扱いについて批判されたブレアは、「これはいかなる社会的モデルなのか。目の前には2億人失業者がいる。機能するヨーロッパ社会モデルが私たちには必要だ」と述べた。
 
■トルコの最後の望みはブレア
 ドイツのDer Spiegel誌のインターネット版のページで、トルコのEU加盟に関して載せられた評論において「イギリス首相トニー・ブレアはトルコの最後の望みだ」と表現された。
 評論では、ブリュッセルでのEU首脳国会議が失敗でおわった後、トルコのEU加盟が新たな議論の的となっているとのべ、「エルドアン首相は失望し、フランス-ドイツラインから方向転換をした。トニー・ブレアはトルコ人たちの最後の望みだ」と表した。ブレアは、EU憲法がたくさんの国で否決される以前から、トルコの側についており、トルコ政府の「希望の光」になっていた。シュレーダーの後継者と噂されているキリスト教民主主義連合党党首のAngela Merkelとフランス内務相Nikolas SarkozyはトルコのEU加盟に反対しており、トルコがブレアだけに希望をつないでいると、論評した。

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( 翻訳者:茂木あゆみ )
( 記事ID:381 )