クルドでの騒擾事件、国家安全保障最高評議会で議論を シャルグ紙
2005年08月10日付 Sharq 紙

2005年8月10日付シャルグ紙 2面(イラン面)

【イラン学生通信(ISNA)】国会の国家安全保障外交委員会の副委員長を務めるモハンマド・ナビー・ルーダキー氏は、クルド問題につき国家安全保障最高評議会事務局の議題にのせるよう、大統領への書簡で要求したと述べた。

 同氏は次のように述べた。「ジャラーリー・ジャアファリー、アーヴァーイー、ピーシュビーンら国家安全保障外交委員会の委員は、4名のクルド系国会議員ら(アーイーン・パラスト、シャアバーニー、ヘイダリー、キャリーミー)とともに、マハーバード、サナンダジ、オシュナヴィーイェ、ピーラーンシャフル、サッゲズの各地域での最近の騒擾の原因を調査する目的で、オルーミーイェで開かれた西アゼルバイジャン安全保障評議会の会議に出席した」。同氏はさらに「火曜日(昨日)、一行はマハーバード、サッゲズ、及びサナンダジを視察し、さらにコルデスターン州安全保障評議会の会議に出席、問題を調査する予定である」と続けた。

 ルーダキー氏はまた、次のように述べた。「騒擾の主要な原因は、3名のペジャークのメンバーが最近イラクのサラーフッディーン州でアメリカ政府関係者と会談したことと関連している。この会談は先週木曜日に行われた。この会談の後、マハーバードやサナンダジ、オシュナヴィーイェの各地域でクルド人数名が殺害されたことへの抗議として、バーザールを閉め、一斉ストライキを行うよう呼びかける声明文が、コルデスターン州の各市で出回った。この抗議はアメリカの煽動によって起きたものだ」。

 ルーダキー氏はさらに次のように述べた。「国会のクルド系議員もまた、事態を沈静化すべく、よく協力してくれている。残念ながら、そのうち2名はBBCやその他の外国のメディアと接触し、〔クルド地域の〕煽動に一役買ってしまった感がある。しかしこの2名も、事態の沈静化に加わっており、現在情勢は正常化している」。同氏はさらに続けて、「人々は地域の問題が解決され、要求が受け入れられるよう、もっと注意が払われることを望んでいる。もちろん、サナンダジ=ケルマーンシャー間の鉄道敷設が、今年国会で承認され、また先週には2億2500万ユーロのマハーバード石油化学が締結され、さらにイラン南部からコルデスターン地域へと延びる1200キロメートルのエチレン・ラインが敷設中である。それ以外にもさまざまな未完成の開発計画が、完成へ向けて実行中である」。

 同氏はまた次のように付け加えた。「国会の国家安全保障外交委員会は、ここ2ヶ月の間に2度、地域に調査団を派遣し、国境地域での商業活動の実態について調査を行ってきた。また、先週火曜日には、内務省や情報省、治安部隊、州の責任者を招き、人々が抱える問題について話し合った。本日も、コルデスターンの問題を国家安全保障最高評議会事務局の議題にのせるよう要望する書簡を、国家安全保障委員会より大統領に送付したところである」。さらに「調査団が地域より戻り次第、来週にも調査のための会議を続ける予定である」と述べた。

 他方、サナンダジ選出のフーシャング・ハミーディー議員は、このことについて次のように述べた。「月曜までコルデスターン州の商店は閉まったままであったが、一ヵ月にわたる不安定な状況を経て、火曜日(昨日)には事態は正常化しつつある」。同氏は続けて次のように述べた。「残念ながら、クルド系住民の住む地域では、一部〔物資が〕不足した状況にある。この問題はこれまで幾度となく、会議にて政府高官に対して報告されてきた。問題の特定に関しては、滞りなく行われている。しかし、解決策を講じてそれを実行し、不足を解消する段になると、法的枠組みがあるにも関わらず、また〔クルド系住民の〕要求は法の枠組みに合致したものであるにも関わらず、問題は解消されぬままとなっているのが現状である」。

 さらに同氏は、次のように語った。「国際情勢も、問題に影響を与えている。〔クルド系住民の〕要求は市民として認められるべきものであり、それらは市民としての尊厳や敬意、彼らに対して認められている法的権利の適用、行政レベルのさまざまな場面での平等と公正の確立、地域の才能ある人物の登用、福祉の充実といったものである。これらは憲法第48条に規定があるにも関わらず、それに反して適切に実施されていない」。
〔*憲法第48条では、イランを構成する各地域が平等に発展する権利を有している旨謳われている〕

 同議員はさらに次のように述べた。「これらの地域では、〔憲法第48条は〕適切に実施されておらず、このことが、地域の人々の間に全体から切り離されているとの感覚が生じる原因となっている。これは根本的解決が図られるべき基本的問題である。解決が図られない場合には、マハーバードで起きたような一事件が、州全体の運動へと発展していくこともあるだろう」。

 同議員はさらに、次のように主張した。「この問題に対処するにあたり、治安部隊が過ちを犯したことが、問題の悪化を引き起こしている。騒擾が生じた背景にはもっともな理由がある以上、治安部隊やその他の部隊はきわめて慎重かつ繊細に行動しなくてはならない。もちろん、彼らの行動の一部は適切なものであり、称賛すべきものである」。

 ハミーディー議員はまた次のように語った。「これら地域選出の国会議員は、大統領に対し面談を求めてきた。私もまた、口頭ならびに書面で面談を求めた。それに対し大統領は、面談を実施することを個人的には了承したものの、10日経った今でも、面談は実現していない」。同議員はさらに次のように強調した。「今でも大統領との面談を希望している。もし面談が実現しなかった場合には、大統領は自らの主張を放棄したということになろう。もし大統領が〔選挙戦で掲げた〕7千万人の政府を作ることを望むのであれば、たとえ最終的な決定権は大統領にあるとしても、まずは多くの人々の意見を聞くことが肝要だ」。さらに続けて、「近くから事件に触れている人々から問題について事情を聞くことが必須だ。もし〔面談の実施が〕引き伸ばされるようなことがあれば、大統領は自身の主張に背いたことになるだろう」。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:632 )