イラクでの人質事件:被害者妻「皆さんはイラクへ家族を働きに行かせないで」(Milliyet紙)
2005年08月09日付 Milliyet 紙

イラクで7月16日に誘拐されたトルコ人3人のうち、メティン・ジェイランさんの家族は、公式見解を出さない外務省を非難した。ジェイランさんの妻は、「トルコで貧しい生活をしようとも、イラクには行かせないで」と述べた。

カタールの衛星テレビ、アル・ジャズィーラが、イラクで人質に取られているトルコ人3人の映像を昨日公開した後、彼らがウスルエル・エネルギーに勤めるメティン・ジェイランさん、ファーティフ・イーイトさん、パシャ・サーラムさんであり、7月16日にイラクで誘拐されていたことが判明した。ジェイランさんの家族は、外務省が公式見解を出さないことを非難し、ジェイランさんの妻は「皆さん、夫や子供をイラクに行かせないで。トルコ国内で貧しい暮らしをしようとも、イラクには行かせないで」と呼び掛けた。

■アル・ジャズィーラに流れたので告白した

アル・ジャズィーラが流した映像を見たあと、心境を報道陣に告白する決心をしたジェイランさんの家族は、メティンさんの生命を危険にさらさないためこれまで沈黙を守っていたと語った。
スレイマン・ジェイランさんは、きょうだいのメティンさんが12年間ウスルエル・エネルギーに勤務しており、会社がイラクに残した資材を取りに行った際に「聖戦士」と名乗る人たちに拉致されたと述べた。

■「常に無事を祈っている」

外務省は今日まで自ら誘拐犯と交渉しようとしなかったと述べるスレイマン・ジェイランさんは、セゼル大統領やエルドアン首相に呼び掛けて、きょうだいを無事に帰還させるよう求めた。ジェイランさんは、聖戦士が家族にただ「ここからすべてのトルコの企業は出て行け。撤退できたらきょうだいを解放する」というメッセージを伝えたことを明らかにした。
メティン・ジェイランさんの妻フィゲン・ジェイランさんも、アイヌル・ハザンとエイリュル・エジェという名前の2人の子供がいると言い、「私たちは常に無事を祈っています。どうか解放してほしい」と語った。
ジェイランさんの家族は、オルドゥにいるイーイトさんやサーラムさんの家族と頻繁に電話で連絡を取り合っている。母ヌルタン・ジェイランさんは、息子の無事を何日も祈っている。

■犯人はキャーティバート・アル・フルサングループ

ウスルエル・エネルギーが行った会見で、3人は以前イラクのエネルギー省が(同社とともに行った)電気通信網の改良プロジェクトで使った資材をトルコに持ち帰る際に、キャーティバート・アル・フルサンというグループに拉致されたと述べた。同社は、イラクで多国籍軍とともに活動したことはないとし、「我が社には目下、イラクで継続している契約も責務もない」と述べた。
                                         
■外務省:発見に努めている

ジェイランさんの家族の批判に対して、外務省関係者は、外務省が知らせを受けた7月の終わりから今日まで、在イラク・トルコ大使館の協力を得て、3人のトルコ人の発見に努めていると述べた。

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:622 )