「個人的関心」と「収入の見込み」が大学入試の学科選びで一番重要な基準 ハムシャフリー紙
2005年08月11日付 Hamshahri 紙

2005年8月11日付ハムシャフリー紙 社会面

【文化学術部】「個人的関心」、「収入の見込みがよい分野」、「社会的必要性」、「労働市場における需要」。イラン全国大学入学試験での学科選択の際に高校生らがもっとも重視する基準は、このような順番であることが分かった。

 テヘランの高校生約2000人を調査した結果、学科選びの基準として「専攻分野の社会的重要性」や「単に大学に入りたいだけ」と回答したのは、わずか5%だった。また、「親の意向」もそれほど影響力を持たないことが分かった。

 他方、〈経験科学〉系や〈理論科学〉系を高校の専攻コースとして学んでいる高校生は、他の専攻コースの高校生よりも、学科を選ぶ際の基準として「個人的関心」を挙げることが多く、また〈職業・技術〉系を高校の専攻コースとして学んでいる高校生は、自らの将来の学科選択について、他の高校生よりも「社会的必要性」や「労働市場における需要」を考慮して決めていることが多いことが明らかになった。「専攻分野の収入の見込み」もまた、〈職業・技術〉系の高校生からもっとも多く挙げられた基準であった。

 「専攻分野の社会的重要性」は、〈人文〉系を専攻コースとする高校生にとって重視されており、また学科選びで明確な基準がなく、単に大学に入学することだけを重視する高校生は、〈経験科学〉系に多かった。

●「工学」、「コンピューター科学」、「法学」が一番人気

 イラン学生通信(ISNA)の報道によると、勉学を続ける際の志望専攻分野についての高校生の回答は以下の通りであった。特定の志望専攻分野はなく、(広い意味での)工学系の学科で勉強を続けたいと考えていた高校生が12%であった。それに続いてコンピューター系(10%)、法学(7%)、電子工学、会計学(ともに6%)、医学(5%)が、高校生の上位関心分野として挙がった。

 また、志望分野に関する回答を性別で分析すると、男子は女子よりも工学や電子工学に関心を示しており、反対に女子は男子に比べて法学や建築学、心理学といった分野に関心を持っていることが分かった。

●高校生の職業への志望傾向に対する両親の学歴の影響

 さらに調査結果では、将来就きたいと考えている職業に関する若者たちの意識が親の学歴に左右されているということが分かった。調査によると、両親の最終学歴が高卒以下の若者は、収入が多く、社会的に高い地位が享受できる仕事を望む傾向がある。しかし、高等教育機関以上の学歴を有する親を持つ若者たちは、個人的関心と一致する仕事に就きたいと考える傾向を持つことが多い。また、このような若者たちは、他のグループの若者たちに比べて、平均的な収入の仕事に就きたいと考えている者は少数だ。

 回答結果を性別で分析すると、基本的に収入の多い仕事に就きたいとしているのは男子で52%、対して女子で38%であった。また反対に、仕事が自らの関心に合っているかどうかを重視していたのは、女子で48%、対して男子で35%であった。

●「受験に失敗したら、もう一度挑戦」

 ISNAの報告によると、「もし将来大学受験に失敗したら、どの道を選ぶか」との質問に対して、回答した高校生は様々な意見を示した。60%は再度大学入学試験を受ける準備をすると答え、このように答えた割合は女子が男子を上回った(女子63%、男子57%)。

 続いて、職業訓練を受けるとの回答も、男女ともに一定の割合を得た(11%)。さらに、「公務員になる」ために努力するとした人は7%、「結婚して家庭をつくる」と答えた人は全回答者の5%だった。他方、大学へ進学できなかった場合兵役に就くとした男子は5%であった。この調査で注目に値することとしては、回答した高校生の約8%が自分自身の将来について特に展望がないと答え、性別で見ると女子が10%、男子が7%であった。

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( 翻訳者:久野華代 )
( 記事ID:696 )