共和人民党も「クルド問題」を認めていた(Milliyet紙)
2005年08月15日付 Milliyet 紙
CHP(共和人民党)のバイカル党首は、エルドアン首相の「クルド問題」発言を批判したが、CHPの7年前の東部・東南部報告書では、首相と類似した表現を用いて「クルド問題」という定義が用いられていた。
CHPのデニズ・バイカル党首は、エルドアン首相がディヤルバクル訪問中に「クルド問題」という言葉を用いて言及した見解に対し、「トルコを二元化している」と反発した。バイカル党首は、「クルド問題は存在するのか?」との質問にも、「それならグルジア問題、ラズ問題、チェルケス問題もある」と答えていた。しかし、CHPが7年前に発表した東部・東南部報告書には「クルド問題」という表現が使われている。
CHPが1988年にトルコ東部・東南部地方について作成し、ディヤルバクルで発表した報告書は、同党の公式インターネットサイトに掲載されている。エルドアン首相のメッセージと似た報告書の導入部で列挙されている問題は、「多文化社会、クルド問題及び多元的民主主義」という見出しのもとに調査分析されている。「クルド問題の解決には民主主義が必要」との表現が使われている報告書では、次の様な見解が示されている:
「社会の分離と疎外化、不安定さの根本要因となるテロと民主主義の問題の存在や、世俗的で民主主義的な社会法治国家が存続できなくなっていることは、トルコに過去10年で共和国史上最も重大な危機をもたらしている。我が国が多文化社会であることから生まれ、「民族意識に対する民主主義的解決」という共通理解のもとで解決する必要のあるクルド問題は、トルコの内政問題である。我が国で多元的民主主義が不完全であることに起因する国内の民主主義の問題である」。
■大学に研究機関
同党のインターネットサイトに掲載されている2002年付の「民主化法案」では、「希望者に対し母国語を国の監督する特別コースで学べるようにする。大学に研究機関を設置し、村落駐在所は廃止する」といった表現が使われている。法案で構想された政策のいくつかは次の通りである。
「ヨーロッパ人権条約、ヨーロッパ社会憲章、パリ基準、ヘルシンキ最終決議、コペンハーゲン基準は、行政と治安維持政策に反映される。村落駐在員は廃止される」。
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( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:672 )