イラク憲法起草期限明日にひかえ米国がクルド人にブレーキ(Milliyet紙)
2005年08月21日付 Milliyet 紙
アメリカ政府の圧力の結果、イラクのクルド人が新憲法に“自決権”条項を盛り込む要求を取り下げる可能性が出てきた。
イラクのクルド人は、新憲法草案に将来イラクから分離する権利も含む“自決権”を盛り込むよう要求していたが、アメリカからの強い圧力を受け、要求を取り下げる可能性が出てきたことが明らかになった。
アメリカのAP通信が、憲法の草案作りを進める委員会のクルド人委員の話に基づき伝えた報道によると、新憲法草案の一刻も早い完成を望むアメリカはクルド人に対し、新憲法にイスラム教的言説を取り込みたいというシーア派とスンナ派の要求に対し、これ以上反対しないよう求めた。匿名を希望するクルド人面会者が語ったところによると、アメリカはクルド人指導者に対し、イスラム教が新憲法において単なる一法源としてでなく、主要な法源として示されることに同意したとのメッセージを伝えた。
■代償は女性が払う
クルド人有力者の情報によれば、アメリカ政府は、クルド人に対し、特にスンナ派の激しい反対の要因となっている“自決権”要求を取り下げるよう求めていた。アメリカのこの強い圧力のため、クルド人は十中八九、要求を断念するだろうと明かすクルド人有力者は、クルド人指導者がアメリカの圧力に屈し、世俗主義と自決権の原則を引き下げようとしていると語った。クルド人情報提供者は、現在の状況に照らし合わせて見れば、イラクではイスラム教が政治運営や社会生活においてより中心的な役割を果たすことは明らかであり、その代償は自由や市民権を制限される女性によって支払われると主張した。
AP通信のスレイマニエからの記事でも、クルド愛国者同盟の有力者の1人であるモッラ・バフティヤル氏の談話が掲載された。バフティヤル氏は「全政党が新憲法草案を完成させるべく柔軟な姿勢を見せている。クルド人の自決権についてはスンナ派とシーア派の支持を得られていない。この要求を我々はあきらめかけている」と語った。
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( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:716 )