大学受験事情:お金で入学する者あり、点数で入学する者あり(Milliyet紙)
2005年08月24日付 Milliyet 紙

医学部・法学部・工学部といった人気の学部では、国立大とワクフ大(私立大)の間で入試合格点に大きな差が見られた。裕福な家庭の子どもは私立大の希望の学部で学べると言うことだ。

毎年200万人近くの若者が大学入学を目指して競い合う一方で、金持ちが人気の学部に入ることはお茶の子さいさいである。1点の差ですら合否の差を分けた2005年度学生選抜試験の結果によれば、国立大と私立大の合格点数に大きな差があった。とくに、医学部・法学部・工学部といった人気の学部でこの差が際立っている。

■「誰でも入学させる」

中東工科大学のウラル・アクブルト学長は、家族が子供の高等教育を望んでいると述べ、次のように語った:「家族は家財を売るなどして、教育を受けられるよう準備をする。しかし収入と高等教育を受けさせたいという望みは相反するものだ。所有物を売ったとしても、貧しい家庭では高等教育を受けさせることができない。私立大の学費は1万2千ドルを超えているのが実状だ。学費は非常に高くなった。
現在、6万人近くの学生が私立大に通っている。これはセルチュク大学の学生数に匹敵する。生徒の親が学費を払えないということになると、私立大は誰彼なしに学生を入学させる。優秀な職業高等学校にすら入学できないような生徒が私立大で学んでいるのだ。奨学金を受けている生徒とそうでない生徒の合格点には大きな差があるのに、同じ教室で机を並べて学んでいるというのもおかしな話だ」。

■「より環境が整っている」

一方、私立大であるチャンカヤ大のズィヤー・アクタシュ学長は、私立が点数の低い生徒を受け入れているという主張に反対し、次のように述べた:「私立大は人数的に見ると学生を少ししか受け入れていないが、国立大よりも設備・情報・規律といった面で学生の成長にとって優れた環境である。我々の目的はただ1つ、学生によりよい環境を提供することだ。国際交流にも力を入れている。国際交流に取り組む国立大もあるが、設備面の問題や生徒の数の多さから困難を来すだろう」。

■「検定試験が必要だ」

ユルドゥズ技術大学のアイハン・アルクシュ元学長は、生徒や大学を評価する客観的基準がないことから、こうした議論が生じていると述べ、次のように続けた:「卒業生が職務を遂行できるだけの能力を身に付けるためには、必ず検定試験に合格する必要がある。低い点数で入学してきても、大学の教育を通じて成功を収めることが可能なのだ」。

■奨学金コースは高得点が必要

もう1つの違いは私立大の奨学金コースと授業料が必要なコースの間に見られる。私立大の奨学金コースの中には、合格点が国立大の伝統校の合格点を上回っているケースもある一方で、授業料の必要なコースは郊外の大学よりも低い点数で入ることができる。2005年度学生選抜試験の結果によれば、国立大であるマルマラ大法学部の合格最低点は336.317、イスタンブル大法学部は340.320、ディジュレ大法学部は327.227であったのに対し、私立大のうちバフチェシェヒル大法学部の奨学金コースの合格最低点は339.690、コチ大法学部特別奨学金コースは362.777、チャンカヤ大奨学金コースは341.191であった。

■私立大学の年間学費は・・・

バシュケント大:6,000ドル(付加価値税抜き)、ベイケント大:文理・経済経営学部10,206YTL(1YTL=約80円)工・建築・芸術学部11,178YTL(付加価値税込み)、チャー大:10,950YTL(付加価値税込み)、ビルケント大:13,000YTL(付加価値税抜き)、チャンカヤ大:5,800ドル(付加価値税抜き)、バフチェシェヒル大:12,500YTL(付加価値税抜き)、ドウシュ大:英語課程13,800YTL・トルコ語課程12,600YTL(付加価値税込み)、ウシュク大:14,688YTL(付加価値税込み)、イスタンブル情報大:15,900YTL(付加価値税込み)、マルテペ大:医学部18,000YTL・その他学部13,200YTL(付加価値税抜き)、サバンジュ大:19,500YTL(付加価値税込み)。

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( 翻訳者:井上 さやか )
( 記事ID:739 )