ヴァン猫のふるさとは? 2,700年前の猫の骨格発見される(Radikal紙)
2005年07月30日付 Radikal 紙

ウラルトゥ城砦跡で2,700年前の猫の骨格が出土したことで、ヴァン猫の祖先に関する重要な発見がなされるだろう。

ヴァン発

ヴァン県にあるウラルトゥ王国の交易拠点として利用されていたユカル・アズナフ・カレスィで2,700年前の猫の骨格が出土した。イスタンブル大学ユーラシア考古学研究所所長のオクタイ・ベッリ教授を団長として、ウラルトゥ王メヌアによって紀元前800年代に造営され王国の経済拠点として利用されたユカル・アズナフ・カレスィで15年間にわたって発掘に携わってきた考古学者たちは、昨年、城砦の回廊部分の発掘の際に猫の骨格を掘り出した。
ベッリ教授によれば、これまでの発掘でウラルトゥに特有の防具、農機具類が出土しているが、昨年の発掘調査において深さ4メ-トルの地点で猫の骨格を発見したという。同教授は、イスタンブル大学獣医学部での分析によって同骨格は2,700年前のものであるとわかり、DNA鑑定が済めばこの猫がヴァン猫であるか否かも明らかになるだろう、と語った。
ベッリ教授は、ヴァン猫に特有と考えられる(形状の)頭蓋骨が出土したことによって、ヴァン猫の祖先について重要な発見がもたらされるだろうとし、以下のように述べた。「我々が発見した頭蓋骨は、この地域特有のヴァン猫の最初期の例といいうる特徴を備えています。イスタンブル大学でDNA鑑定される頭蓋骨が、ヴァン猫のものである可能性は高いです。」

■ヴァン猫ではなくビアン猫!
ベッリ教授はヴァン猫の祖先については様々な仮説があると指摘する。相当数の学者がコーカサスあるいは中央アジアからヴァンにやって来たと指摘するヴァン猫であるが、ベッリ教授は、ヴァン猫の色が左右で異なっているのは、ヴァン湖の青さと、琥珀の黄色によるもので、その結果この地方特有の種になったのだと主張した。
ヴァン猫は東のペルシャ猫とも西のアナドル(アナトリア)猫ともまったく類似点がなく、ベッリ教授は、ヴァン猫が他の地域からこの地域へと移動してきたというのは的外れな説であると述べる。「ヴァン猫の最初期の例は発掘作業の折に我々が発見しました。頭蓋骨の分析によって2,700年前のものであることが明らかになりました。このことから従来ヴァン猫として知られている種についてはビアン猫と呼ぶべきです。何故なら、ウラルトゥの人々は自らを『ビアン-ル』(訳注:「ビアンの者」、「ビアンの出の」、といった意味)と称していたからのですから。ウラルトゥの昔から今日まで絶えることなく続いてきたこの種をビアン猫と呼ぶほうがより正確でしょう。発掘を続けていけば、この種類の他の例が複数発見されると信じています。」

■泳ぐのが大好き
文化観光省のWebサイトに掲載されている情報によると、シルクのような長い毛並みと、優美な尻尾、そして目の色が注目を集めるヴァン猫は、自らの意思で水に入り泳いで遊ぶ猫ということから世界中で興味をかきたてている。またヴァン猫は目の色に従って三種類に分けられる。両目とも青色のもの、両目とも黄色のもの、そして一方の目が青色でもう片方が黄色のいわゆる「テクギョズ」(訳注:「唯一の目」、「単独の目」といった意味)。ヴァン猫はかつて夏には山で狩猟を行い冬には家で過ごしたといわれている。子猫の目の色は生後40日ではっきりとしてくる。両耳の間に1つか2つの黒い点があるのは遺伝的に「テクギョズ」だ。

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( 翻訳者:長岡大輔 )
( 記事ID:565 )