ギリシャ正教会総主教に副首相が苦言(Milliyet紙)
2005年08月01日付 Milliyet 紙

副首相シャーヒン、「ワクフ総局は我々の財産に手をつけようとしている。悪意があるのでは」と述べたバルトロメオスに対し法的措置をとる構え

 ワクフ総局が、クナル島のキリスト修道院ワクフ経営として登録されている(代表者なし)ワクフであるという理由から調査しようとしたことで始まった議論は拡大した。総局の、ワクフ所有の不動産や管理権の自己所有に関する正式契約の後で在フェネルのギリシャ正教総主教バルトロメオスは「悪意がある。ワクフ総局は我々の財産に手をつけようとしている」と語り、これに副首相メフメト・アリ・シャーヒンは強く反発した。シャーヒンは「総主教の権限を逸脱している。我々は万人に均等に振舞う。マイノリティのワクフが、ムスリムが組織したワクフ以上の優遇を求めている」と語った。
 総主教のこの発言後、最高裁第十局はワクフ総局が、常時活動を行う非ムスリムのワクフには手を出さない旨の決定を下した。シャーヒンはバルトロメオスの発言を以下のように説明した。 

 存在理由がなくなった:法の枠内にある、つまり個々のワクフの代表者なしでワクフ総局が運営するワクフの数は4万1千である。これらのうち教団ワクフの数は40から50ほどである。このワクフの運営はワクフ総局によって行われている。この決定は単に少数派のワクフのためではない、ムスリムのトルコ国民が組織したワクフにも適用される。更には、総局の管轄下にあるムスリム同胞のワクフは、マイノリティのワクフの何倍もたくさんある。居もしない代表者へワクフを返還するようなことになれば、これは深刻な混沌となる。最高裁が根本からこのような決定を行うなら、ワクフ総局の役割は何も残らない。存在理由が消えるのだ。

 権利の侵害などしていない:総主教は、自分たちは権利の侵害をされているなどと言っている。我々は誰にも権利の侵害などしていない。どのワクフにも平等に対応している。あるワクフが他のワクフよりも上だとか優位性があるということはない。ローザンヌ条約違反であるなどという発言を受け入れることは不可能だ。サマーキャンプは1999年以来子供たちのために行われているし、今年もキャンプに許可は出ている。

 特権を求めている:教団ワクフの名をかたる人々は、ムスリムのトルコ国民が設立したワクフよりも多くの優越性や特権の所有を求めている。我々は非ムスリム、ムスリムの差別を行わない運営を行っている。

 法は無視できない:総主教の発言は、法が認めている権限や限界を超えることから発している。トルコ国民として法に基づく行動を行うべきである。法を無視して権利の要求を行うことは容認できない。総主教に対して法的措置をとる予定だ。

■総主教は何といった?

 クナル島での子供キャンプの開催においてバルトロメオスは以下のように述べた。「ビュユク島の孤児院については欧州人権裁判所に申請した。必要ならばもう一度申請を行うつもりだ。結局のところ我々の権利はここでは与えられないのだから、外国に求めることになる。(中略)幾つかの問題について悪意があるようだ。ギリシャ系の同胞たちはかつて12万人いたが、今やたったの2千人である。しかし人は理由なしに家や家族を置いて行ってしまったりはしないものだ。」





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( 翻訳者:藤巻 )
( 記事ID:562 )