サッゲズでの騒擾で2名が死亡、142名が逮捕 シャルグ紙
2005年08月07日付 Sharq 紙
2005年8月7日 シャルグ紙イラン面
【イラン学生通信(ISNA)】コルデスターン州副知事は、同州における最近の状況の一部を悪用しようとする行為に対して警告を発した上で、市民に対して虚偽の情報や噂の類いに惑わされぬよう要請した。
ジャムシーディー副知事はサッゲズで起きた事件に関して、次のように詳細を説明した。「1384年5月12日〔2005年8月3日〕水曜日の朝8時半、数人のバイクに乗った者たちが、サッゲズ市のバーザール商人らに店を休業するよう脅迫を交えて要求した。その後、集会が開かれ、集会に参加した者たちは不穏な状況を引き起こし、暴力的な行為を行うことで、緊張した状況をサッゲズ市内各所に拡大させようとした。このように引き起こされた不穏な状況のなかで、政府所有の公共の場所や私有地に被害が及び、特に州事務所や司法関連施設の一部が攻撃を受け、さらに市関連施設の一部には火がつけられたものもあった。投石などの不穏な状況が続く中で、治安部隊は警告を発して、騒ぎを起こしている者たちがこれ以上政府施設に対して損害を加えぬよう努力したが、あまり効果がなかった。そこで、治安部隊は自らの職務に則り、市の公共秩序の混乱を阻止すべく、不穏・危機的な状況を抑える行動をとることになった。
さらにジャムシーディー副知事は、次のように付け加えた。「残念ながらこの事件で、2名が死亡した。死因については調査が継続されている。また8名が怪我を負った。そのうち2名は治安部隊の隊員であり、残りの6名は地元住民である。またこの騒擾事件で、治安部隊は142名を逮捕し、5月13日〔8月4日〕木曜日には、政治・治安担当副知事を委員長する、州治安評議会や州中央検察庁のメンバーらからなる委員会が、事件の全容の調査のためにサッゲズ市入りし、市の治安評議会の会議に出席した。その一方で、逮捕者のうち100名が釈放されることになった。残りの42名に関しては、事件の調書にもとづき、また法の規定に則ったかたちで、彼らが事件に果たした役割について捜査が続けられることになっている。これらに加え、委員会は事件で怪我を負われた方々をお見舞いし、また亡くなられた方々の葬儀・埋葬が静粛な雰囲気のなかで執り行われるよう準備をし、家族の方々とも面会をした」。
政治・治安担当の副知事であるジャムシーディー氏はまた、次のように呼びかけた。「このことに関連し、いくつかの点につき指摘しておきたい。ここ数日、一部の者たちが一般市民の意識を撹乱する狙いで、また外国のメディアから援助を受けて、事実とは異なる虚偽のニュースを州レベルで流布している。事件で生じた被害について、虚偽の数字を示すことで、州市民の不安を掻き立てようとしている。市民に対して、この種の虚偽のニュースや噂の類いには惑わされぬよう要請する。
ジャムシーディー副知事は、事件によって一部の一般市民や公共施設に被害がもたらされたことに遺憾の意を表明し、州の責任者は状況が安定したことに決して満足してはいないと述べた。その上で、もし一部の者が現在の状況下で社会を混乱に貶めようとすれば、治安部隊が必ずしやその企みを阻止するであろう、そしてそのためには市民の団結と協力が必要である〔、と訴えた〕。
同氏は市民に次のように呼びかけた。「ここ数年、州には良好な雰囲気が作り出され、拡大してきた。このことが、さまざまな政党や組織による合法な市民運動の誕生のための素地を生んできた。非市民的で暴力的な行動を起こす一部の者たちの存在によって、現在の州の雰囲気が台無しになるようなことがないよう、市民は自ら警戒を怠るべきではない」。
ジャムシーディー副知事はさらに次のように付け加えた。「州市民の権利を守ると称して、一部の者たちが状況を悪用し、不法かつ非市民的な行動を起こしたとしても、高潔なる州市民の支持を得ることはできない。州の善き市民たちは、そのような行動が州全体の利益を損なうことになるということを、よく承知しているからだ。さらに、治安〔に対する〕暴力的な行為はコルデスターン州の市民に何ら利益をもたらさないということは、経験が証明していることでもある」。
〔*訳者注:サッゲズはイラン西部コルデスターン州の北部にある都市で、クルド系住民が多く住む。ここ数週間、サナンダジやマハーバードなど、コルデスターン州や西アゼルバイジャン州の各都市でクルド系住民による反政府運動が起きているとのレポートが、一部海外メディアなどで報じられている。サッゲズでの騒擾では12名が死亡、70名以上が負傷をし、またここ数週間のイラン・クルド地方での騒擾で計20名が死亡、300名以上が負傷したとの報道もある(英ガーディアン紙)。〕
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:612 )