トルコ外務省で人事異動をめぐる混乱(Milliyet紙)
2005年09月05日付 Milliyet 紙
外務省はこの秋、大混乱の事態に陥った。理由は大使の辞令が閣議で否決されたため凍結されたからである。
通常であれば辞令は夏の間に確定し、公になってから秋の初めに次々と新しい任地に赴くものである。特に外交官には子どもたちの就学という観点からこうした慣例は必要であった。
実際、今年もそうなるはずであった。5月初めには人事異動の素案は出来上がり、初めて大使に昇格する外交官には新たな任地が耳打ちされ、準備を始めるよう伝えられていた。
見解の相違は、ファルク・ローオール駐米大使を端緒に起こった。4年の任期切れのため、ローオール氏を中央省庁に帰還させ、代わりに中央から副参事官のナビ・シェンソイ氏を赴任させる予定だった。
ローオール氏は定年まで1年を残すばかりであり、古参の参事官であることから1年の任期延長が認められるはずだった。外務省は近年の例を見る限り、希望があればベテラン大使にこの種の“ジェスチャー”を送っていた。
結果的に、ローオール氏の希望はかなわなかった。その上、外務省の上級官僚も元参事官を擁護しなかったことが分かった。
にもかかわらず、アブドゥッラー・ギュル外相が準備した辞令の素案に対し、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が待ったをかけた。エルドアン首相は、ローオール氏の中央省庁への帰還は適当でないと考えたため、全ての辞令が凍結されたのである。夏の間、こうした状況は一向に変化しなかった。
そうなると、同省で毎年夏の終わりにある“血の入れ替え”がなくなってしまった。大使のポストが空かないと中央からの新たな任官ができないからだ。新大使が赴任できないので、本来空くはずだったポストに対し局長間で行われる異動も実現しない。局長が上へ昇進できなければ、部長たちの昇級もない。今現在、省全体で上から下まで(人事異動が)麻痺した状態で、職員の士気は下がっている。首相と外相の間の人事異動に関する不一致は解消されるのか、しばらくの間見守る必要がある。
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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:810 )