ヨルダンのアブドゥッラー国王がアンカラへ:イラク問題が議題(Milliyet紙)
2005年09月06日付 Milliyet 紙
公務でアンカラを訪れたヨルダンのアブドゥッラー国王は、イラク情勢の推移に対する懸念を表明した。エルドアン首相も、「イラクでの戦火は我々にも飛び火する」と語った。
ヨルダンのアブドゥッラー国王の突然のアンカラ訪問では、イラク情勢が議題に上った。同国王は、10月15日に国民投票にかけられる新イラク憲法をめぐる昨今のイラク情勢に懸念を表明した。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相も同国王の懸念に共感して、「イラクでの戦火は我々にも飛び火する」と述べた。
日帰りでアンカラを訪れた同国王をアブドゥッラー・ギュル外相が出迎えた。その後、大統領府にアフメト・ネジュデト・セゼル大統領を訪問した。一対一の会談とギュル外相も参加した食事会のあと、セゼル大統領と同国王は共同の記者会見を開いた。
■全地域に影響を与える
大統領府での会談は、イラク情勢の展開が主な議題となった。イラクの新憲法の制定作業に、国内のすべての勢力が参加したことの重要性を指摘するアブドゥッラー国王は、イラクの国土の一体性の保持と一国も早い情勢安定化が必要だと述べた。スンナ派が憲法制定プロセスの中に含まれたことは重要なことだと語り、今後イラクで起こるより大きな混乱は自国を含む近隣諸国に影響を与えるだろうと話した。
■キプロス問題に支援求めた
セゼル大統領はアブドゥッラー国王に、イラクの国土の一体性が保持されること、イラクの天然資源がすべてのイラク人に役立てられること、改革の過程に全勢力が完全な形で参加すること、キルクークの特別な地位を守ることというトルコ政府のイラク政策を伝えた。
新憲法の制定プロセスに対する懸念を口にしたセゼル大統領は、同国王に2国間の自由貿易協定へのサインを求める一方、キプロス問題に関する支援を要請した。
■1つ1つ追求していく
首相官邸でエルドアン首相と会見したアブドゥッラー国王のここでの協議事項もイラクだった。エルドアン首相はイラクの国土が一体であることの必要性を強調し、憲法制定プロセスも注意深く見守っていく必要があると述べた。エルドアン首相は、イラク情勢が近隣諸国に直接影響を与えるとし、「イラクでの戦火は我々にも飛び火する。イラク情勢を逐次追っていく」と話した。
■国連総会前の根回し
アブドゥッラー国王は会談の中で、イスラームとテロリズムが同列に取り扱われる傾向にあるとし、「彼らはイスラームを悪者にしようと努めているが、こうした動きを許すことはできない。この問題について共闘しよう」と語ったことが判明した。同国王がトルコに続いてエジプトを訪問することが伝えられる一方、外交筋は、今回の訪問を国連総会の前の「根回し」であるとの見解を示した。同国王がイラクの周辺国家の指導者たちに「総会でイラクの混乱状況を打開するための、具体的な新しい1歩を踏み出す」という考えを伝えたことが明らかになった。同国王は、イスラエルのガザ地区から撤退に関連して、自立のためにパレスチナ人を援助する必要があると述べた。
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( 翻訳者:佐藤 淳也 )
( 記事ID:815 )