シュレーダー首相、ドイツのトルコ系新聞社を訪問(Radikal紙)
2005年09月14日付 Radikal 紙
ドイツのシュレーダー首相は、「加盟交渉をきちんと始めようではないか。トルコは不安定な地域において、大変に安定した錨のような国だ。トルコとヨーロッパの価値をひとつにすれば、われわれの安全保障につながる」と述べた。
ドイツのゲアハルト・シュレーダー首相は選挙期間中の昨日、フランクフルト近郊にあるドアン・メディア・グループ(DMG)〔Milliyet、Radikal、Hurriyet紙の発行元〕の施設を訪問した。シュレーダー首相はドイツにおけるDMGの働きを賞賛し、トルコのEU加盟について、「交渉は双方にとって長く厳しいものになるだろう。しかし私は成功を確信している。なぜならトルコは改革の道を信念をもって突き進んでいるからだ」と述べた。シュレーダー首相の来訪にはドアン・ホールディング代表取締役アイドゥン・ドアンとドアン・メディア・インターナショナル社長セヴダ・ボドゥルオールが応対し、他の主だったメディアもかけつけた。
来賓を迎えたアイドゥン・ドアン氏は「この施設はドイツとトルコ両国間の歴史的関係がどのような段階に至っているかを表しています。この建物のドアのところにはドイツとトルコ両国の国旗がはためいています。トルコ系ドイツ人はこの屋根の下で力を合わせて楽しく働いています」と述べた。ドアン氏は、トルコとドイツ両国に暮らすトルコ人に対する理解が深く、建設的な政治を行ってきたシュレーダー首相に「あなたのことは、ただ首相としてだけでなく、トルコ人とドイツに定住した移民たちをよく理解している人物として敬愛してきました。あなたのような政治家が増えることを信じています」と話した。ドアン氏はさらに、選挙によってドイツ市民に幸福とさらなる福祉がもたらされることを願う、と続けた。
■「トルコ人による重要な支援」
シュレーダー首相は、DMGがトルコの一大メディア・ホールディングであることにとどまらず、ドイツに住むトルコ人にとっても重要な情報源であることを指摘し、「ドアン・グループの成功は、トルコ系事業のドイツにおける重要性を示している」と述べた。シュレーダー首相は、ドイツで6万4千人以上の企業家が70億ユーロもの投資を行い、年間出来高は290億ユーロにものぼると述べた。
また、トルコとの交渉を10月3日に開始するべきだとするシュレーダー首相は、以下の点を主張した。
●「EUはトルコとの40年来の約束を守ろうとしている。この約束は常に歴代のドイツ政府によって主張されてきたものだ。この期に及んでこっそり逃げ出すのは正しいことではない。エルドアン政権は影響力ある前進を確実なものとした。信念のある信頼できる政治を支持する者なら誰でも、トルコと交わした約束を支持しなければならない。交渉は双方にとって長く厳しいものになるだろう。しかし私は成功を確信している。なぜならトルコは改革の道を信念をもって突き進んでいるからだ。」
●「原理主義的でないトルコとヨーロッパの価値を合わせれば、双方にとって大きな安全保障となる。トルコの加盟や、トルコやドイツのトルコ人ムスリムをあたかも危険であるかのように見せて選挙運動で悪用する者がいるとしたら、それは誤りである。ドイツ市民も快くは思わないはずだ。」
■「トルコは安定した錨」
シュレーダー首相は記者らに選挙運動について語り、最後まで戦いをやめないと宣言した。そして、キリスト教民主同盟(CDU)党首で対抗馬のアンゲラ・メルケル氏がトルコを争点にすることは構わないと述べ、「なぜならば、私の考える方法はEUが全会一致で認めた方法で、経済的にも外交上も、そして安全保障の観点からもドイツの国益に適っているからだ。トルコは非常に問題の多い地域において、大変に安定した錨のような国である」と話した。
AP通信は、シュレーダー首相の来訪を「シュレーダー首相、選挙前にトルコ系大新聞社を訪問」と報じ、トルコへの支持をメルケル候補との最も大きな違いの一つと指摘した。
現地の新聞はこちらから
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:宇野 )
( 記事ID:863 )