シュレーダー首相、トルコのEU加盟に反対する対立候補を批判(Milliyet紙)
2005年09月12日付 Milliyet 紙

シュレーダー首相は、トルコのEU加盟に異を唱える対立候補のメルケル氏に警告を発した。「安全保障の問題の1つを内政面での攻撃材料にすべきでない。これはドイツの国益に反する行為だ」。

ドイツで9月18日に行われる前倒し総選挙を前に、与党・社会民主党(SPD)のゲアハルト・シュレーダー首相と対立候補のキリスト教民主同盟(CDU)党首、アンゲラ・メルケル氏は最後の舌戦を繰り広げている。トルコのEU加盟を選挙キャンペーンの最重要課題に位置付けるシュレーダー首相は、昨日メルケル氏に警告を発し、トルコのEU加盟に反対することは誤りであると述べた。

アナトリア通信からの情報によると、シュレーダー首相は昨日、40のラジオ局で生放送された選挙番組でメルケル氏とともに様々な問いに答えた。同首相はトルコのEU加盟に関する質問に次のように答えた。
「メルケル氏はトルコ問題について、イラク問題と同じ誤りを犯している。あなたはイラク戦争の正当性を信じ、この戦争を支持した。しかし、私はこの戦争を放棄してよかったと思っている。今、トルコ問題についても同じ誤りを犯している。つまり、安全保障の問題の1つであり、外交政策の問題を、内政面での攻撃材料にすべきでない。このことは承服できない。これはドイツの国益に反する行為だ」。

■「安全保障は重要」

シュレーダー首相は、トルコのEU加盟交渉開始に関して、自国だけでなく、全EU加盟国の意見の一致で決められたことに触れ、次のように述べた。
「加盟国の中には保守系政権もある。トルコとの交渉が10年から15年を要することはトルコ自身も知っている。皆トルコの周辺で何が起こっているのかも知っている。イラク、イラン、カフカスの問題や、インドとパキスタンの対立などだ。トルコの原理主義ではないイスラム勢力と西側の近代的な考え方が一体となることは、ヨーロッパ、さらにはドイツに計り知れない大きな安全保障をもたらす。私はこのことを重要視している」。
同首相は「世界で和平の達成や、対立関係の解消に向けた努力が払われれば、それだけ自国民の利益も増す」とも語った。

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( 翻訳者:塚田 )
( 記事ID:849 )