アフガニスタン議会選挙:暗闇の中の前進 シャルグ紙
2005年09月17日付 Sharq 紙

2005年9月17日付シャルグ紙9面

【国際部:バーナード・イムハスリー(Bernard Imhasly)、モハンマドアリー・フィールーズアーバード訳】9月18日、アフガニスタン国民は国民議会及び地方議会の議員を選出するために、33年ぶりに投票所へ足を運ぶ。しかし、今回の選挙を特に選挙民にとって難しいものとしているのは、政党の不在と、5800人という数の立候補者の存在である。彼らのほとんどは、アフガニスタン国民に名の知られていない者たちばかりなのである。

 アフガニスタンの有権者は、2005年9月18日日曜日、難しい選択を迫られることになる。5800人という数の候補者の中から669人を、国会及び全国34の地方議会の今後4年間の代表者として選出せねばならないからだ。今回の選挙の難点は、何よりもアフガニスタンの選挙のあり方にある。どの候補者も、独立・無所属の候補者として選挙戦に挑んでおり、そこでは政党の出る幕はないのである。

 すこしカーブル市内を巡回すれば、この国の選挙戦で立候補者がいかに乱立しているのかが見て取れる。カーブルとその周辺の選挙区だけで、全候補者のうち617人がひしめきあうように競い合っている。カーブル市内は、選挙ポスターやステッカー、パンフレットで埋め尽くされている。候補者の顔写真が貼り付けられていない壁や木、電柱を見つけるのは難しいくらいである。交通案内や交通標識の看板の多くも、上から下まで、この種の宣伝ポスターで覆われている。タクシーの多くも、フロント・ガラスにまでポスターが貼られており、運転手はただ小さな隙間から前方を確認するしかない程だ。

 政党がなく、その結果政党の政策プログラムもないために、候補者のできることといえば、自らの顔を露出させたり、大衆好みのスローガンを叫ぶ以外になにもない。カーブル市内の道路は人であふれ返っており、渋滞も長時間に及ぶため、道行く人々が選挙プラカードをじっくり見る機会も十分ある。

 一見して目に付くのは、候補者の選挙資金の差である。資金が潤沢でないことが明らかな候補者は、自らの白黒の顔写真をA4の紙に印刷して配るだけの宣伝しかしていないが、その一方で潤沢な資金を有する候補者は壁一面を覆い尽くすほどの選挙ポスターを作成して〔街角に掲示して〕いる。また、極く少数の一部の候補者には、電動式回転ポスターを利用している者さえいる。電動式回転ポスターとは、数秒に一回候補者のイメージをかわるがわる紹介する機械のことだ。カーブルの12時間の電力停止も、この電動式ポスターには問題ないという。というのも、どの電動式ポスターにも、小さな非常発電機が備え付けられているからである。もちろん、保守係もいる。

 次に目を引くのが、候補者が身にまとう服装である。候補者の外見を見ることで、彼らがどんなイデオロギーを有しているかを判断できるのである。ジハード系やムジャーヒディーン系〔*「大義のために闘う者」「ジハードを行う者」の意〕、イスラーム主義系の団体に属する候補者のほとんどは、長いひげを生やし、ターバンを頭に巻いて写真に写っていることで、判別できる。一方、いわゆる現代風の候補者は、コートとズボンにネクタイといった服装をし、体を曲げて、頭を肩と平行にした状態で写っている。左翼系の候補者はといえば、シャツとスポーツ用ブルゾンという姿で、笑顔を見せて両手を広げて、写真に写っている。こうすることで、自らの質素な生活ぶりと透明性をアピールしているのである。84名の女性候補者については、彼女らのほとんどが、頭にスカーフをかぶっている。

(後略)

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:906 )