「今日の問題を解決する鍵はマフディー信仰への回帰にこそ存在する」:アフマディーネジャード大統領 ハムシャフリー紙
2005年09月21日付 Hamshahri 紙

2005年9月21日ハムシャフリー紙

〔*訳注:イランの国教であるイスラーム教の12イマーム・シーア派神学では、預言者ムハンマドのいとこで娘婿のアリーの血筋には、神の意思を知る特別な力が備わっており、イマームとしてイスラーム共同体を指導する特別な権限が与えられていると信じられている。アリーに始まるこのイマームの血筋は、第12代まで続いたとされ、第12代イマーム(《時のイマーム》《お隠れイマーム》などの名称で呼ばれる)は幼少のころに《お隠れ》になり、終末の日に救世主マフディーとして再臨するとされる。イスラーム太陰暦シャアバーン月15日(西暦で9月20日)は、この第12代イマームの誕生日であり、以下の記事は同日アフマディーネジャード大統領がこのシーア派の宗教祭日の際に行った演説を伝えるものである〕

【メフル通信】アフマディーネジャード大統領は昨朝、《マフディー論の集い》において、人類の求めに対し正しく応えることができる唯一の理念は《マフディー待望》の理念以外になく、その旗手を担うのもまたイラン・イスラーム共和国に他ならないと強調した上で、「イスラーム諸国が抱える今日的問題の多くを解決へと導く鍵は《マフディー待望》の理念への回帰にこそある」と述べた。

 マフムード・アフマディーネジャード大統領は、歴代の預言者たち、善徳なる者たち、および善良な者たちの使命とは、《時のイマーム》再臨のための準備を整えることにあるとした上で、「イスラーム諸国が抱える今日的問題の多くを解決へと導く鍵は《マフディー待望》の理念への回帰にこそある。イスラームは、イスラームをいかに現前させるかという問題に関心を払っている。そして、イスラーム革命とイスラーム共和国の使命とは、この目的のために準備を整えることにある」と述べた。

 同大統領はまた、一部の者たちが《時のイマーム》は物質世界とは何ら関係を有していないと想定していることについて指摘し、「この学派は、第12代イマームがお隠れになっている時代には、イマームのイマーム位としての権威は休止状態にあると想定しているが、それに対しては次のように言わなくてはならない。すなわち、イマームはつねに世界との関係を維持しており、たとえあなた方の心の中を善なる意思がよぎっただけであっても、《時のイマーム》の存在がそこに介在しているのだ」と強調した。

 アフマディーネジャード大統領は続けて、《マフディー待望》の理念について言及し、「《マフディー待望》の理念は生に関する理念であり、それは個人だけでなく、社会や国家の生をも包み込むものだ。マフディーを待望することは、待望する人間の生のあらゆる尊厳と関わる。それゆえ、マフディーを待望する人間の思想、考え方、目的は、マフディーを待望する精神を持たない人間とは全く異なるのである」と指摘した。

 大統領はマフディーを待望する社会もまた同様に、待望する精神をもたない社会とは異なるものであると強調した上で、「マフディーを待望する人間は互いにいつくしみの心をもち、献身的で自己犠牲を厭わず、また信仰心を高めるために互いに交流を深め、互いを罪から遠ざけるよう努める人間である」と付した。

 同大統領は、世界はこのような文化および精神を渇望しているのだと強調し、「《マフディー待望》の理念なくして人類に明るい地平は見えてこない。世界のあらゆる権力は無力であり、人類の求めるものにまっとうに応えることができない」と述べた。

 同大統領は今日、世界において新たな動き・期待が胎動しつつあると述べた上で、「人類の求めに対し正しく応えることができる唯一の理念は《マフディー待望》の理念であり、その旗手を担うのもまたイラン・イスラーム共和国以外にない」と強調した。

 アフマディーネジャード大統領は、《時のイマーム》を正しく理解するために必要な基礎づくりを大学及びイスラーム神学校の関係者に対し要望し、「われわれはまだこの目的に向けて、道を歩み出したばかりである。なぜなら、もしわれわれが《時のイマーム》をよく理解していたならば、われわれとあの方との内的な絆が途絶えてしまうことなど、決してなかったであろうからだ」と述べた。

 大統領は一部の国々に瀰漫する疲弊感、絶望感、自己欺瞞を《時のイマーム》への無関心から生じたものだと指摘し、「もしこれらの人々がイマームをよく知ろうものなら、絶望と無気力が彼らを蝕むようなことはなく、彼らは誇りと自信に満たされるはずだ。そして、これこそが、われわれが今日求めているもの、人類社会が求めているものに他ならないのだ」と述べた。

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( 翻訳者:南龍太 )
( 記事ID:926 )