アンケート調査結果まとまる:高校生をとりまく社会環境は千差万別(Milliyet紙)
2005年09月14日付 Milliyet 紙

12県の県庁所在地で、5つのタイプの高校で行われた調査によると、職業高校とイマーム・ハティプ高校の学生の両親の教育レベルは、他の高校に比べて非常に低いことが判明した。最も失業率が高いのは職業高校の生徒の家庭である。

■4,500人の高校生に実施

学校の新年度が始まり、高校生たちの社会的・文化的特徴や、彼らが共感する政治思想・立場など様々なテーマについての考え方、さらにEU加盟をどう評価するかについて調査したアンケートを検証する。
EUの「水平線とモザイクプログラム」が支援する「トルコの若者は語る」という調査は、トルコ社会科学協会のプロジェクトとして、中東工科大学社会学部の教員であるムスタファ・シェン博士を中心に実施された。調査は、生活関連財団調査グループからウンデル・キュチュクラル、ベルナ・ゼンギン・アルスラン、エムラフ・ギョケル、ヤシャル・スベレン、ウラシュ・ウーラシュ・トル、そして中東工科大学社会学部教員ウズギュル・アルンの各氏からなるチームによって実施された。

2004年12月に行われたアンケートには、4,545人の高校の最高学年の生徒(うち女子41%、男子59%)が回答した。アンケートはイスタンブル、アンカラ、イズミル、バルケスィル、ブルサ、アダナ、カイセリ、サムスン、トラブゾン、エルズルム、マラトゥヤ、ガズィアンテプの12県の県庁所在地にある、5つのタイプの高校(一般公立高校、アナドル高校、職業高校、イマーム・ハティプ高校、私立高校)を対象とした。
回答者の出生地や、両親の教育レベル・就業状況にはいくつかの興味深い特徴があることが分かった。回答した高校生の出生地は、64.1%が都市部、24.8%が郡部、8.6%が村、2.5%が海外であり。高校のタイプによってかなりの違いが見られた。

アナドル高校と私立高校は、都市で生まれた生徒の割合が高く、それぞれの学校に通う回答者の3分の2以上を占めている。一般公立高校と職業高校の中で都市出身者は多数派ではなく、郡や村出身と答えた生徒の割合は、アナドル高校や私立高校より高かった。注目されるのは、イマーム・ハティプ高校の生徒で都市出身者の割合は45.6%と5校中最も低く、村出身者が21.4%で最も高かったことだ。イマーム・ハティプ高校で郡及び村出身者の割合は50%で最も高かった。

■寮と奨学金が村出身者をイマーム・ハティプへ

郡・村出身者の割合がイマーム・ハティプ高校で高いことには、主に2つの理由がある。1つは、この種の学校を支援する機関が、村に居住し経済力に乏しい家庭の子供の学費を肩代わりし、無償の奨学金を提供していることだ。
2つ目は、イマーム・ハティプ高校が無料または低額の寮や寄宿舎を備えていることで、このことが農村出身の生徒にとって魅力的に映っている。「授業のある間どこで寝泊りしているか」という質問に対し、回答したイマーム・ハティプ高校の生徒の38.8%が学校の寮、寄宿舎もしくは民間の寮と答えている。

■私立高生の家庭はより教育を受けている

アナドル高校と私立高校は、生徒の父親の教育レベルが高いという点で他の高校と異なっている。この2つのタイプの高校では80%以上の生徒の父親が高校や高等専門学校を卒業している。ところが、職業高校では6.4%の生徒の父親が高等専門学校、20.9%が高校を卒業しているに過ぎない。イマーム・ハティプ高校の生徒の父親の教育レベルは他の職業高校の生徒の父親よりは高いが、アナドル高校や私立高校よりかなり低い水準に留まっている。
アナドル高校と私立高校では、読み書きができない父親はおらず、(学校に行かなかったが)読み書きはできるという父親の割合もごくわずかである。ところが、職業高校とイマーム・ハティプ高校では、読み書きができない、または学校に行かなかったが読み書きはできる父親の割合は他の高校より高い。一般公立高校の生徒の父親の教育レベルは、職業高校とイマーム・ハティプ高校より高く、アナドル高校と私立高校よりは低かった。

■最も貧しいのは職業高とイマーム・ハティプの家庭

アンケートに回答した生徒の家庭の月収にも学校のタイプによって違いが見られた。私立高校の生徒の家庭の3分の2が月収2,000リラ以上である。次いでアナドル高校生の家庭で、半数以上が月収1,500リラを上まわる。
3番目は、公立高校である。公立高校生の家庭では、月収1,000リラ以上の割合はイマーム・ハティプ高校や職業高校の生徒の家庭より高い。
イマーム・ハティプ高校と職業高校は、月収1,000リラ以下の家庭の割合が高いという点で類似している。しかし、イマーム・ハティプ高校の生徒の家庭の月収は、職業高校の生徒の家庭より高い。

■職業高生の家庭は失業率が高い

父親の仕事別に分類すると、一般公立高校と職業高校では、生徒の父親が賃金労働者として働いていることが最も多い。ただ、職業高校と公立高校で決定的に異なる点は、職業高校では、生徒の父親の失業率が全体平均の2倍以上に上っていることだ。
イマーム・ハティプ高校では、父親が賃金労働者である割合が最も高いが、その割合は全体平均より低い。
また父親が農業に従事している割合が全体平均の約3倍であることが、イマーム・ハティプ高校の家庭の特徴である。

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( 翻訳者:澤村 華奈 )
( 記事ID:862 )