新国防大臣ナッジャール氏:抑止力を有する兵器の開発を手がける シャルグ紙
2005年08月31日付 Sharq 紙

2005年8月31日付シャルグ紙2面

【イラン学生通信(ISNA)】シャムハーニー海軍中将の国防大臣退任と、ナッジャール司令官の国防大臣就任を祝う式典が火曜日〔西暦2005年8月30日〕朝、軍高官らの出席の下開催された。

 イラン国軍統合参謀長は、式典の中で、イラン暦シャフリーヴァル月8日〔8月30日〕が政府週間の最終日であることに言及し、前国防大臣であるアリー・シャムハーニー中将個人とその革命闘争前後、及びイラン・イラク戦争における功績に関して次のように述べた。「シャムハーニー氏は、革命の勝利、安定化、建設のなかで鋼のように鍛えられた人物である。また、地上戦、海上戦の司令官でもあった彼は、国防省に目覚ましい改革を実現するために尽力し、また戦略兵器に始まり、通常兵器〔?〕、最新装備に至るまで、われわれが必要とする装備を準備・供給すべく、環境の整備にあたられた。私は彼に感謝の意を表するとともに、シャムハーニー中将の善良にして勤勉なる苦労に至高なる神のご加護を祈りたい」。

 イラン国軍統合参謀長は、革命防衛隊准将であるモスタファー・モハンマド・ナッジャール司令官についても、続けて次のように言及した。「同氏もまた、革命初期より革命活動に参加し、戦闘においても軍内部においても、多大なる勇敢さを発揮し、さらに国防省においては軍需産業の礎を築いた一人でもある。国軍において誰か1人、尊敬に値する人物として挙げるとすれば、下官から司令官に昇進するまで服務し続けた人物を挙げよう。そしてナッジャール氏こそ、これに当てはまる人物である」。

 フィールーズアーバーディー参謀長は最後に次のように述べた。「アメリカと交渉し、対話し、親密な関係を取り結ぶことは不可能であるということは、経験が語っている通りである。アメリカはわれわれの国民、われわれの政府の友人ではない。なぜならば、アメリカの本質はわれわれの本質とは異なるからである」。

 アリー・シャムハーニー氏もまた、式典の中で演説し、正義や倫理は言葉ではなく、行動で示すものであると語った。シャムハーニー前国防相は、自らの退任ならびにナッジャール氏就任の式典の中で、すべての出席者と国防省職員に対して感謝の意を述べつつ、こう語った。「国防省に別れを告げてから随分と経っているので、本日の式典は退任式というようなものではないだろう。むしろ本日の式典は、親愛にして責任感強く、若く、勤勉で、国防省内部で経験を積み、軍人で国防省内部の構造、特に同省にとって基幹部分である軍需部門についてに知悉している我が同胞の歓迎式典というべきである」。

 新国防相もまた、就任式典とは別に設けられた記者会見の中で、今後の自らの最重要優先課題について、次のように語った。「国会でも述べたように、私の策定した計画にもとづいて、研究調査が恒常化される予定である。8つの柱からなる同計画が、国防省の職員の協力を得て、実現されることを望んでいる」。モスタファー・モハンマド・ナッジャール司令官は以下のように続けた。「国防省の構造を見直し、軍に対してより貢献ができるための土台作りに励みたい。そのためには当然、軍事予算も増額の方向で編成しなおす必要がある。とはいえ、もちろん、予算の資金源確保のためには、何らかの苦労が伴うことも承知している」。彼は軍における創造力の重要性に関しても指摘している。「今後、軍における創造力と多様性の拡大に尽力していきたい。同様に、軍の士気を高めるような何らかの制度の創設にも努力していく」。

 ナッジャール氏は、イランの核問題に関しても次のように述べている。「このことに関する国防省の立場は明確である。すでにその他の関係者の方々がたびたび繰り返し語ってきたように、原子力の平和利用はイランの権利である。このことについては、国際社会において信頼醸成に努めるべきであり、交渉も続けるべきである。そして、全イラン国民が原子力エネルギーを享受することを求めており、それは無視することのできない権利なのだということを確たるものとして示すべきである」。

 ナッジャール氏は、現在世界の化石燃料エネルギーが現在減少しつつあることを指摘して、以下のように述べた。「原子力の平和利用から得られるエネルギーは、化石燃料エネルギーの最適な代替エネルギーとなろう。もちろん関係者、特にハーメネイー最高指導者が宣言しているように、大量破壊兵器の獲得は許されず、イスラーム法上禁じられている。核兵器開発へと進むことは許されてはいないのである。しかし、われわれは原子力の平和利用技術を手に入れるためには、努力を惜しんではならないのだ」。

 同氏は国防省によるミサイル生産については、次のように述べた。「国防省が行っている主要な取り組みのひとつが、抑止のための武器生産である。シャハーブ3型ミサイルの開発もその一環であり、この開発の中断はあり得ない」。ナッジャール司令官は、国防省は軍が必要とする装備を〔自前で〕供給するだけの能力・ポテンシャルを有しており、このポテンシャルを今後とも高めていくために努力を続けていく、と強調した。 

Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:787 )