国の“情報バンク”はシムシェキ検察官にゆだねられた(Milliyet紙)
2005年08月27日付 Milliyet 紙
治安維持組織が個別に無秩序に行っていた電話傍受による情報収集活動をやめさせ、代わりに一本化して行う組織の長にフェトヒ・シムシェキ検察官が任命された。
警察、国家諜報機構(MİT)、保安隊の電話傍受による情報収集活動を一本化するため設立される電気通信庁(Telekomünikasyon İletişim Başkanlığı)の初代長官に、エルドアン首相からアンカラの共和国検察官であるフェトヒ・シムシェキ氏が指名された。顧問や専門スタッフも所属する組織は、まもなくトルコにおけるすべての通信傍受活動を行う“情報バンク”になる予定である。
警察や国家諜報機構、保安隊による作戦時の通信傍受のほか、犯罪を未然に防ぐ捜査のための盗聴を行う機関としても機能するよう法案で設立が決められた同庁は、業務開始のため要綱の整備を待っている。
■官僚の捜査官
治安維持や諜報活動を行う組織が自ら複数の場所で行っていた電話傍受による情報収集活動のすべてを担う電気通信庁(長官)に、電気通信団体庁の提案でフェトヒ・シムシェキ氏が任命された。官僚として取り調べを行う5人の検察官の1人であり、人民銀行による融資と元銀行業監査調整委員会(BDDK)委員長のゼケリヤ・テミゼル、エンギン・アクチャコジャらに対する告訴について捜査を行ったシムシェキ氏の職務も完了した。
最後にミュムタズ・ソイサル元外相の預金を横領した銀行員についての捜査を終えたシムシェキ氏は、すべての情報収集活動を担当する電気通信庁長官の任務に就くために検察官を辞した。
■スタッフは揃った
内閣は、組織の業務を行う幹部についても策定した。政府は通信長官任命に際し「4年制大学卒」という条件しか求めなかったが、シムシェキ氏を任命することで、治安担当者や司法関係者にあった「治安か法律の専門家である者」が望ましいとの見解が生かされた形となった。
内閣は、電気通信協会で働く組織のコンサルタントたちを、工学と社会科学分野の出身者から選ぶことを決定した。「工学」分野から任命される人々は、電気電子、通信、産業、物理、数学、コンピュータそして経営学科において教育を受けたこと、そして「社会学」分野から任命される人々は、政治、法律、経済、経営、情報通信の学科より一つを修了していること、修士号または博士号を取得していることが条件になる予定である。
電気通信協会内よりこの任務に任命される者にとって、「少なくとも部長として任務を行っている者」という条件がつけられた。組織顧問として5名のスタッフが選抜された。
■単独のセンターで管理される
首相府監査官の調査機関として任務に当たる情報通信組織の働きによって、言論や通信の自由に対する失望の原因となる「統一なき盗聴」の代わりに、特にテロ活動を防止する観点から極めて重要となる通信傍受活動が、法的基準に沿って実施されうることが目的とされている。
組織のインフラが完成し、警察、国家諜報機構、保安隊は、平時および犯罪防止のための盗聴活動を、協会を通して行えるようになる。ある作戦の一部として盗聴がなされるならば、検察の申請や裁判所の判決は最速の形で、インターネットやファックスも利用し、組織へ伝えられるだろう。判決の法適合性を審査する同組織は、アンカラで組織される技術インフラのおかげで、捜査の対象となる電話回線を「作戦を実施する部隊の名において」聞き始めることになる。盗聴した内容は関連部隊へ伝えられる。最終的には、テープから起こした情報のすべてが盗聴活動の捜査ファイルに配置されるために担当部局に送られることになる。
シムシェキ氏は、トルコ全体のあらゆる申請事項がアンカラのセンターで受信されるよう組織が形成されていると述べ、ミッリイェト紙に「規則は我々の働きを促進している。詳細はここで明らかになるだろう。我々は関連の治安部隊に盗聴支援を提供していく。技術的問題は今はクリアではないが、アンカラの単独のセンターで行われる予定である。目下適切な建物探しを進めている」と公表した。
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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:757 )