東アジアで核の脅威(Yeni Safak紙)
2006年10月10日付 Yeni Safak 紙

朝鮮半島情勢が再び熱くなっている。北朝鮮の国営朝鮮中央通信は、科学研究部門が地下で核兵器実験に成功したと伝えた。北朝鮮は実施20分前に中国に事前通告した。中国は周辺地域の国々に注意するよう呼びかけた。周辺諸国は、北朝鮮史上初となる実験を「脅威」そして「挑発」と位置づけた。一方アメリカは実験を非難し、国連に緊急制裁決議をとるよう呼びかけた。

■周辺諸国は警戒体制

北朝鮮の核実験実施に関する発表は、隣国をもっとも緊張させた。日本政府は状況を協議するため緊急に招集された。韓国国防省は、韓国軍が臨戦態勢に入ったことを公表する一方で、ノムヒョン大統領は安全保障担当官らと緊急会議を開くことを決定した。韓国はさらに、水害のため北朝鮮に予定していた人道支援の実施保留を決定した。中国も北朝鮮の核実験に「断固反対」であると明言し、北朝鮮政府に対し、六カ国協議参加を求めた。

■国連に対応を要請

国際社会は核実験に反発している。ホワイトハウスは北朝鮮を非難し、制裁決議のため国連安全保障理事会の召集を要請した。
イギリスのトニー・ブレア首相も核実験を無責任な行動と位置づけた。ドイツも国連安保理が断固とした態度を示すよう求めた。オーストラリアのジョン・ハワード首相も国連安保理へ北朝鮮に対する経済、貿易、観光分野での制裁を一刻も早く開始するよう要請することを明らかにした。

■イランには制裁、北朝鮮へは声明?

北朝鮮の核実験は、西欧のダブルスタンダードを露呈することになった。西欧世界は、平和目的の核プログラムを実施するイランに非常に強硬に反発を示している。そして制裁決議をちらつかせ脅迫している。その同じ西欧が核実験をした北朝鮮に対し単なる声明で非難するだけという態度でいることに世界が気づきはじめている。米国を脅威とし、核実験について一切妥協しないと明言している北朝鮮に対し、国際社会がどんな態度をとるかが注目されている。


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( 翻訳者:小野寺香織 )
( 記事ID:3674 )