チュニジア警察、スカーフ女性を取り締まり(Radikal紙)
2006年10月17日付 Radikal 紙
イスラームコミュニティに対する抑圧的な政策で知られる北アフリカのチュニジアは、街路でのスカーフ着用禁止法を施行した。チュニジアは、トルコと同様に国家機関や学校でのスカーフ着用を1981年に禁じている。フィナンシャル・タイムズ紙はチュニジアの新法について、「トルコと同様のスカーフ着用禁止令」という視点で報道した。新たな法律によると、チュニジア警察は街路でスカーフを着用している女性を引きとめ、強制的にスカーフをとらせるだけでなく、二度とスカーフをかぶらないように誓約書に署名をさせている。法律関係の一般企業に勤めているファイゼ・ラヒームさんは、同紙に次のように述べている。「市場で止められたのです。そして交番に連行され、二度とスカーフを着用しないという内容の誓約書に署名を求められました。警官たちは私に『現行犯逮捕』であったという報告書まで作成したのです。私は署名することを拒否したのです。幸運なことにその警察官は常識のある人で私を解放してくれました。」こう話すラーヒムさんは、その一方で、スカーフを着用しているという理由で息子の学校への立ち入りを禁じられたことを付け加えた。
■第108条
ズィン・エル・アビディン・ベン・アリ大統領下の現政権はその必要性について、イスラーム主義者達の「政治的シンボル」と化したスカーフが、「イスラーム的感情をもたらし、さらには過激派の力を増幅させている」からと主張する。チュニジア警察は、新法施行の根拠として、ハビブ・ブルギバ前大統領が1981年に施行した法律第108条を示している。この法律は、公共施設でのスカーフ着用を禁止し、これを拒絶する者を解雇や退学させるというものだ。
ベン・アリ大統領政権は、1990年代にアルジェリアでの総選挙に勝利したものの、軍事クーデターによって失脚させられたイスラーム主義者達の影響がチュニジアにも広がることを恐れている。そして同大統領が追放した穏健派イスラームの反政府主義者達が再び力をもつことを阻止しようとしている。アリ大統領は、イスラーム主義者達の力を増幅させるあらゆる思想やシンボルが広がっていくことに許さないと述べ、次のように話した。「海外から招かれてもいないのに入り込んできた偏狭な服装と、我々の歴史的アイデンティティーのシンボルである伝統的服装を区別する必要がある。」アブデルワッハーブ・アブダッラー外相は、禁止されているナフダ党(旧イスラム潮流運動)がスカーフを政治的スローガンとして利用していると述べている。
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( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:3719 )