2006年10月16日付 ハムシャフリー紙
これまで多くの作家がノーベル賞を受賞してきたが、スイスアカデミーが無視してきた多くの著名でふさわしい作家が存在する。
ノーベル文学賞は1世紀以上にわたって続いているが、この賞が何のために一部の作家たちに贈呈されるのか、また一部の著名な作家たちはなぜ全くスイスアカデミーに考慮されないのか、未だ明らかでない。例えば、20世紀の偉大な作家、アルゼンチンのホルヘ・ルイス・ボルヘスや、イギリスのグレアム・グリーンはなぜ数年にわたって無視され続けなければならないのか?その大半の作品が時間、空間、無限の本質についての探求であるホルヘ・ルイス・ボルヘスは、たとえ1970年に多くの人々――すなわち文学の専門家たちやマスメディア――の見解では、この年のノーベル文学賞の最有力候補として知られていたが、より政治的な抗議者であるところのロシアの作家アレキサンダー・ソルジェニーツィンが受賞した。
1982年のノーベル文学賞受賞者であるコロンビアの作家ガブリエル・ガルシア・マルケスはしばらく後に記者会見で「なぜこの賞をボルヘスに与えなかったのか未だにわからない」と述べた。ボルヘスは1986年6月に肝臓ガンのためにジュノーで死去した。
『喜劇役者』『事件の核心』『静かなアメリカ人』『情事の終わり』などの大半の小説が政治的・宗教的テーマであるところのグレアム・グリーンは常にノーベル文学賞の候補者だったが一度もこの賞を受賞したことがない。
スイスアカデミーから一度もノーベル文学賞の候補者として認識されなかった、グリーンと同時代の作家たちとして、イギリスのアントニー・パヴェルや、フランスのマルセル・プルースト、インドのR. K. ナラヤン、カナダのロバートソン・ディヴィーズ、イタリアのジョルジオ・バウザニー、フランスのシモン・ド・ボーヴォワール、アイルランドのジェームス・ジョイスを挙げることができる。
誰でもノーベル文学賞の候補者にノミネートされなかったお気に入りの作家がいる。たとえノーベル賞のこの部門の受賞者たちのなかにこの賞にふさわしい著名な作家たちの名前が数多く見られるとしても、時として、別の受賞者たちの選考理由についてはまだ曖昧なままである。
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( 翻訳者:下山伴子 )
( 記事ID:3767 )