女性映画監督タフミーネ・ミーラーニー、若い世代の女性を批判する ハムシャフリー紙
2006年10月19日付 Hamshahri 紙

2006年10月19日付ハムシャフリー紙

【学芸部】タフミーネ・ミーラーニー〔注1〕は、ケルン映画祭の最終日に、イランの若い世代の女性には慎みがないと発言した。

 ILNAの報道によると、ドイツのケルン市で5日間開催された後、日曜日の午後に閉会した国際女性映画祭には、イランからの参加者もいた。この報道によると、国内外のイラン人女性監督の手による18作品がこの映画祭で上映され、それらの映画のうちタフミーネ・ミーラーニーの『停戦(Cease Fire,2006)』〔注2〕と『望まれない女(Unwanted Woman)』〔注3〕の2作品も上映された。

 タフミーネ・ミーラーニーはドイツの報道陣のインタヴューで次のように語っている。

 「イランでは、日に日に世代間ギャップが拡大しています。若者たちはもはや父や母、そして年長者のいうことに耳を貸そうとしなくなっています。残念ながらイラン社会では、カウンセラーというものの役割も、まだ認知されていない状態です。そこで、私はこのような役割を分かりやすい形で紹介したかったのです。我々は現在、伝統的社会から近代的社会への移行期にあります。しかしこの移行期にあって、非常に無秩序な出来事がいろいろと起こっており、若い世代も方々に好奇の視線を送っています。残念ながら我々の国の若い世代の少女たちは、節操や品性を欠き、素行が悪いこともしばしばです」。

訳注
*1 タフミーネ・ミーラーニー(TahminehMilani)は、1960年にイランのタブリーズに生まれる。1979年から脚本家として映画制作活動を開始。代表作品に『離婚の児(Children of Divorce, 1989)、『二人の女(Two Woman, 1999)』などがある。また2001年の作品『半ば隠されて(Hidden Half, 2001)』の内容が反革命的だとして、投獄された経歴を持つ(ハータミー政権によって2週間後に釈放)。

*2 Atesh-bas (Cease Fire,2006):
強い意志を持つ女性建築家サーイェと、彼女のハンサムだが大人になりきれないエンジニアの夫ユースフの間に起こる結婚生活をめぐる葛藤を描いた作品。サーイェはユースフとの離婚を望み法律事務所を訪れるが、誤ってセラピストの事務所を訪ねてしまう。セラピストはサーイェとユースフの話を双方から聞き、“彼ら自身の心の中の子ども”を愛することを教える。

*注3 Zan-i ziyadi (Unwanted woman,2005):
35歳の高校教師の女性スィーマーを通して、イラン人の女性に対する保守的な姿勢を描いた作品。

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( 翻訳者:村上遥 )
( 記事ID:3776 )