異国で過ごすラマザンは味気ない (Yeni Safak紙)
2006年10月02日付 Yeni Safak 紙

ラマザン月は世界中で盛大に祝われる。伝統を守りながら同月を最高の形で過ごすムスリムたちの多くが、アザーンの声なしに断食が明けていくことを残念に思っている。

ほかの11ヶ月に比して最も重要なラマザンが、世界中でそしてトルコ各地でムスリムをラマザン特有の雰囲気に誘い込む。ムスリムは貴重なこのラマザン月にはけがれから遠ざかり、それとはかけ離れるべく様々な習慣に触れ心を休ませている。私たちも、世界各国にいるムスリムに聞いてみた:あなたのいる場所では、ラマザンはどのように過ごされますか、と。イスラム教が広まっていない国に住んでいるムスリムがまずあげる答えは、「アザーンなしに断食が明けていくのは寂しいことです」というものだった。以下は異国の地でのラマザンの風景である。

■異国にいることを普段以上に感じる
ラビア・エクレム(中国):ここでのラマザンはそっけないです。異国の地にいるということを、普段よりもいっそう感じます。

ヌレッティン・ユジェタシュ(フランス):昔のラマザンはよかったな、などと言えないのです。というのは、ヨーロッパでは、毎年同じようにラマザンが過ぎて行くからです。私たちのためのアザーンの声はありません。パン屋の前でラマザン用のパンを待つ行列もありません。

ハサン・ユルマズ(ドイツ):断食明けの時間が迫ってくると、あのアザーンの声を待ってしまいますが、ないのです。断食明けの時間が書いてある日めくりカレンダーを見て、断食明けの時間になったとわかるのです・・・。

アイギュル・ムラン(韓国):ラマザン月前後、韓国にいるムスリムたちの繋がりは強くなってきます。断食明けの夕食後のおしゃべりで、お互いに元気づけ合っています。一度でいいからラマザンやラマザン月の27日目(最初の啓示が下された夜)を、イスラム教国で過ごしたいものです。

■モロッコ人とトルコ人の間で起こる新月(ラマザン開始日)論争
ハッワ・リコール(オランダ):オランダでは、ラマザン用の特別なプログラムがモスクで準備され、同国内のムスリムは、いずれの出身者のモスクであろうと一緒になってお祈りをします。このように、トルコ式暦を用いるモスクでお祈りする人もいれば、モロッコ式暦のモスクでお祈りする人もいます。この平和な状態を壊す唯一のことは、ラマザンがいつ始まるかという議論です。

■ベルギーでコーラン暗唱
トゥリン・オズベチェテク(ベルギー):ここではモスクの数が少ないので、アザーンの声が十分には届きません。カレンダーを見ながら、「ほら、アザーンが唱えられたよ」という一声で断食が明けます。イタリア人とベルギー人の友達は、断食することに敬意を表します。私たちの側では食べ物を口にしないように気をつけてくれます。毎年女性たちは、コーラン暗唱会を開いて、朗誦しています。

ハーレット・タドモリー(レバノン):レバノンとトルコの習慣はだいたい同じです。オスマン帝国の文明や歴史の跡は今でも残っています。タラブルース(トリポリ)にあるマンスール・モスクでは、ラマザン月の最後の金曜日に日中サカル・シェリフ(預言者ムハンマドの鬚が納められている)が一般公開されます。レバノンでは、ムスリムが礼拝に時間をつくれるようにと、仕事は午後1時で終わります。モスクは常に混雑しています。しかし今年は戦争のせいで、例年とは違った雰囲気になるでしょう。

フィリズ・サル(ギリシャ):主婦は、断食明けと断食前の食事のために用意した麺類、クスクス、いろいろな種類のおかしで、テーブルを彩ります。西トラキアの村では、ラマザン中イマームのために「先生のお足代」という名で断食明けの食卓が準備されます。トルコ人が多いイスケチェ(クサンシ)やギュムルジネ(コモティニ)地方では、親戚や近所の家族を断食明けの食事に招待する伝統が何年も続いています。
(下略)



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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:3621 )