東部にも慣習に反し娘の願いを重んじる父親がいる (Hurriyet紙)
2006年10月30日付 Hurriyet 紙

シャンルウルファ(トルコ南東部)のとある一家が、親戚一族に強制的に結婚させられそうになった娘を学校で学ばせるために、6年前にこっそり町を離れた。23歳のアイシェは現在コンピューター・プログラミング学科で学んでいる。元々はこれも似たような話のひとつであった。

 2000年、ハッランのムトゥルジャ村で農業を営んでいたアリ・アスラーンの娘、シャンルウルファ・アナドル高校(*1)を卒業したアイシェを親戚が結婚相手に欲しがり、結納金として1万YTL(新トルコリラ/約80万円)と最新モデルの自動車を贈るともちかけてきた。その時、結婚を望んでいなかったアイシェのために、教師たちと父親のアリ・アスラーンが話し合った。父親のアスラーンは「娘に本意を尋ねました。私に対し、絶対に結婚ではなく勉強がしたいと言いました。その日『どんなにお金がかかっても娘を学ばせよう』と自分に誓いました」と語った。アイシェの決意の後、一家は結納金、自動車とも受け取らなかった。アイシェの希望が日に日に膨らむ一方で、親戚一族は結婚するよう圧力をかけ始めた。圧力は日に日に強まったと語る父親のアリ・アスラーンは、娘を学校へ行かせるために、妻のエミネ、娘のアイシェと共に、クルで牧羊を営む息子アフメト・アスラーン一家のもとへと逃げた。

 3年家で働き、1年は予備校へ通ったアイシェ・アスラーンは2005年、セルチュク大学のクル専門高等学校コンピューター技術・プログラミング学科に合格した。第一学年を首席で修了したアイシェは現在、4年課程のコンピューター工学科へ編入するため、試験準備に励んでいる。学ぶために家族と一緒にシャンルウルファから逃げてきたと明かすアイシェ・アスラーンは次のように語った。

 「私は慣習や伝統から逃げました。もし村にとどまっていれば、結婚して子育てに明け暮れていたでしょう。自分の子どもを学ばせることよりも、教師になって1000人の子どもに教えたいです。東部・南東部で暮らす家族も、私の家族のように娘を学校で学ばせてほしいと思います。もうしがらみの鎖を壊してほしい。女の子は無学で良いと決めつけないで欲しいのです。」

(*1)アナドル高校…外国語教育重視の国立高校。進学校。


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( 翻訳者:及川治香 )
( 記事ID:3815 )