トルコ航空ハイジャック事件 -こんなに簡単に?(Radikal紙)
2006年10月05日付 Radikal 紙

トルコ航空機は2003年から既に17回もハイジャックされている。今回の事件は、ハイジャックがいかに簡単かということを改めて示した。専門家らはハイジャックを航空機内で防止するのは不可能とみている。

 トルコ航空機操縦士協会のトゥナ・ギュレル会長は、ひとりの乗客の手に爆発物、刃物または工具類がなくてもハイジャック可能であると述べた。同会長は民間航空会社のハイジャック対策の限界を次のように指摘した。
 「『この袋のなかに爆弾がある。』という犯人に対してパイロットが『それはでたらめだ。』というのはとても危険です。機長の責任は、乗客を安全に目的地に到着させることです。さらにパイロットがハイジャック犯に介入することも大きな危険をともなうといえます。なぜならハイジャック犯が何人いるのか、何を所持しているのか知りえないからです。これらに加え、パイロットは航空機を着陸させなければならないのですから、自身の身を危険にさらしてはいけません。
このような状況下でパイロットがすべきことは、国際民間航空安全規則に明記されています。この規則は、過去に起こった事例に基づいて作成されています。ハイジャック犯に対するパイロットの介入の度合いは明確にされているわけではありませんが、どんなパイロットもハイジャック犯に介入しませんし、介入すべきではありません。」

 ギュレル会長は、ハイジャック防止のために9.11以降、アメリカでいくつかの安全対策が議題となっているが、どれも認定にまで至っていないとし、次のように続けた。
「アメリカで民間の警備員が飛行機に搭乗することが試みられました。しかし武器を携行し、パイロットの管理下に入らない人間がさらなる危険となりうるということでこの案は断念されました。」同会長は、民間航空業界の安全対策を行う場所は搭乗前だとし、次のように述べた。
「現在実践されている最もすぐれた機内安全対策は、エアバス社の新型飛行機に採用されたように、コックピットで客室の一部始終を監視することができるカメラです。この他に機内でできることは、ハイジャック犯を説得することだけでしょう。」


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( 翻訳者:住永千裕 )
( 記事ID:3635 )