発展公正党党大会のエルドアン演説、世俗主義スローガンへ反論(Milliyet紙)
2006年11月12日付 Milliyet 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、12日、ビュレント・エジェヴィト元首相の葬儀で叫ばれた「トルコは世俗国家であり、世俗国家であり続ける。」というスローガンについて、公正発展党党大会で次のように応えた。「アタテュルクの原則を政治に利用することは見苦しいと思います。」 エルドアン首相は、81人の県連代表ならびに353人の国会議員の提議をうけ、総裁候補とされ、1330票を獲得し党総裁に再選された。その際、2票の無効票があった。
エルドアン首相は党大会での演説で、アタテュルクの原則を政治に利用することは不可能であることを強調し、次のように語った。

■「誤りに陥らないように」
「アタテュルクの原則は適用されていきます。そして共和制という我々の価値感を日々議論しながら、分離的ではなく、ひとつにまとめていく合意の基盤をつくりあげる必要があります。一部で『トルコは世俗国家であり、世俗国家であり続ける。』と叫ぶ声が聞こえてきます。これを一体だれに向かって主張しているのでしょうか。世俗国家を守ろうとしている人々にですか?これを言う意味がどこにあるのでしょうか。世俗主義を守ること以外のことをやろうとしている人がいるというので、こんなことを言っているのでしょうか。関心があるもの、ないもの、サッカーの観戦でもしているような気で騒ぐ連中もいます。こういう人たちを利用する、という過ちを犯すまい。(そういう過ちから)利益を得ようする政党は、足元をすくわれます。トルコは世俗国家であり、社会的、民主的な法治国家です。これらのひとつでも欠ければ、国家として不完全になるのです。」

■「油断しないように」
エルドアン首相は、挑発行為に対して、諸組織にも警告を発し、次のように述べた。「我々は十分に注意しなければなりません。新たな時期に入ってきています。大統領選挙と総選挙があります。油断することはできません。」
また同首相は、国の統一をおびやかそうとする脅威があるとし、次のように続けた。
「共和制の根本精神を、わが国は守っていくでしょう。急進派やテロとは最後まで戦っていくでしょう。急進派や不満を抱く者達が出てきました。「好きになるか立ち去るかどちらかにせよ」といった文句を車の後ろにはったり、一部の集会所で述べたりする者がいましたが、トルコはそういった思想から遠ざかっていました。不満をエネルギーにしているものたちや、「小さくていいので、自分のものにしたい」と考える人々が政治を狭い範囲の中に押し込んでしまいました。彼らは部族や党派、あるいは地域という狭い世界の政治に助力を期待したのです。」
エルドアン首相は、トルコ刑法の第301条に関する批判にも触れ、次のように続けた。「なにか提案があるのであれば、持ってきてください。検討しましょう。我々は第301条を検討する際に、EU諸国と話をし、EU諸国の法律を調査しました。両者の違いは、彼らはポーランド民族といい、我々はトルコ人であること(Türklük)に言及していることです。」

■「困難をものともせず」
エルドアン首相は再選が決まったあとに感謝の言葉を述べ、次のことを語った。
「これから多くの困難があるでしょう。だが皆さんのような貴重な同志とともに困難を乗り越えていきましょう。困難などものともしないでいきましょう。15ヵ月後に我々がどんな政権となっていようと、一年後の選挙では同じように勝利を勝ち取りましょう。」


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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:3881 )