イスタンブル、2010年「欧州文化首都」に (Milliyet紙)
2006年11月13日付 Milliyet 紙
EU加盟国の文化大臣からなる閣僚審議会は、13日、ブリュッセルで行われる会議の後、イスタンブルが2010年の「欧州文化首都」に選ばれたことを世界にむけて発信する。「2010年プロジェクトグループ」は、約6年間、イスタンブルにこの欧州文化首都の肩書きを付すために尽力してきた。この「2010年プロジェクトグループ」の活動をスピーディーに行うよう支援してきたアドバイザー委員会の代表でイスタンブル選出の公正発展党議員エゲメン・バウシュ氏は、この過酷な競争をミッリイェト紙に語った。
― 面接の裏舞台ではどのようなことがあったのでしょうか?
イスタンブル県知事、広域市長、イスタンブル選出の国会議員一名、市民社会団体が共通の目的をもってはじめてブリュッセルに行き、イスタンブルを候補地として申請しました。ブリュッセルでは審査員を前にしてプレゼンテーションをしなければなりませんでした。また、EU加盟国以外の部門で我々の他にはキエフがいました。本番前に、この審査で過去に二度、審査員長を務めたというある英国人に謝礼を支払ってきていただき、リハーサルをしました。最初のリハーサルでは可能性は低いといわれました。そして我々が訂正しなければならないところを示してくれました。30 分間のプレゼンテーションと30分間の質疑応答は、完璧でした。審査員からも、「我々が質問することをひとつ残らず説明してくださいましたね。」と言われました。我々のプレゼンテーションの後、キエフの関係者が面接室に入っていきました。官僚が15分説明をし、通訳者がロシア語を訳したそうです。
― あなたが忘れられないような自己犠牲を強いられたようなエピソードはありますか?
カーディル・トプバシュ氏にお願いして、深夜4時までかかって100冊以上のイスタンブルの本を準備した日もありました。これらの本一冊一冊に直筆のサインを入れて、新年の贈り物にしました。
― 「欧州文化首都」決定は、今後イスタンブルにどんな影響を与えますか?
イスタンブルは、都市計画、環境、そして社会的な意味でも恒久的なシステムに到達していくでしょう。
世界中でイスタンブルという名前が、芸術や文化とともに耳にされるようになるでしょう。このことはEU加盟交渉過程という視点においても重要なことです。多くの人々に雇用の機会を提供するでしょう。イスタンブルは文化的な意味で様々な娯楽がある都市になるでしょう。スルタン・アフメト3世の息子のために行われた割礼式典の再現や、聖具博物館の設立といった広範囲にわたる企画があります。
― このプロジェクトのメイン・テーマは何ですか?
プロジェクトでイスタンブルはアリストテレスの思想からヒントを得て「四つの要素をもつ都市」として表現されました。土は、イスタンブルの文化の奥深さを反映する歴史的遺産、水はイスタンブルにあるボスフォラス海峡と金角湾、空気はミナレット、鐘塔、宗教の多様性と寛容を、そして火は若さ、テクノロジー、現代美術を象徴しています。
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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:3889 )