必修「宗教」授業への対応をめぐり、アレヴィー信徒の間の亀裂(Milliyet紙)
2006年11月19日付 Milliyet 紙

ピール・スルタン・アブダル文化協会会長で弁護士のキャーズム・ゲンチは、アレヴィー信徒の生徒が必修の「宗教」の授業を免除されるよう要求して、ヨーロッパ人権裁判所に訴訟を起こした。そしてそのことで、アレヴィー信徒間に亀裂を生んだ。

ゲンチ会長は、ハサン・ゼンギンという名前の協会員の娘が「宗教」の授業を免除されるよう要求して訴訟を起こした。その訴訟が棄却された後に、この件をヨーロッパ人権裁判所に持ち込み、(議論が)始まった。

ジェム財団のヨーロッパ・コーディネーターであるアリシャン・フズルは、ゲンチが訴訟の中で「アレヴィーの信仰がイスラムの枠外にある」と弁論したことについて、これが認められれば、ローザンヌ条約の基準にしたがいアレヴィー信徒が「マイノリティー」としての地位が承認されるようになるとの見解を示した。「訴訟を起こした人々は、マイノリティーになろうと働きかけている」とも彼は語った。


■「EUでさえも、我々は非難した」
ゲンチはといえば、「マイノリティー」議論を持ち出した人々は、「思慮を欠いてアレヴィーの信仰を侮辱した」と反論した。またアレヴィーの信仰が「イスラムの枠内にあるのか、枠外にあるのか」ということについては、それぞれが異なった信念を持ちうるだろうと話した。そして「アレヴィー信徒をマイノリティー扱いしたEUでさえも、我々は非難した。アレヴィー信徒は共和国の基本的な構成員であり、設立者である」とも語った。

アレヴィー・ベクタシー連合副会長のアリ・ケナンオールも、必修の「宗教」の授業がアレヴィー信徒の信条と関係の無い要素を含んでいる点では、全アレヴィー組織が同一見解であると述べた。また、ケナンオールは次のように語った。
「議論を我々に向けて挑発しているのだ。アレヴィー信徒の憲法上の権利と要求は、EUによってもマイノリティーの問題に押し込められた。持論を持ち出した人たちも、同じ罠にはまりこんだ。」




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( 翻訳者:丹羽貴弥 )
( 記事ID:3924 )