米国民がイランに入国する際に指紋押捺を義務づける法案総則が国会可決 ハムシャフリー
2006年11月19日付 Hamshahri 紙

2006年11月19日付ハムシャフリー

【政治部】アメリカ国民に指紋押捺を求める国会提出法案をめぐり、議論や検討、駆け引きが数回にわたり行われた結果、ついに国会議員らは政府の反対を押しのけ、同法案を可決した。

 本紙ハムシャフリー国会担当記者の報告によると、可決された同法により、政府はアメリカ国民すべてに対し、イラン入国時及びビザ発給時に、アメリカの措置に合わせる形で調査ならびに指紋押捺を行う義務を負うことになる。

 国会の審議に出席した外相は、政府の代表として同法案総則への反対を表明、イラン国民に対して指紋押捺を行うアメリカの措置は否定的な反響を〔米内外で〕呼び起こしているとした上で、「アメリカはこのような措置によって、イラン国民とアメリカ国民の交流を断絶させることを目的としている」と述べた。

 マヌーチェフル・モッタキー外相は、アフマディーネジャード大統領のニューヨーク訪問、及び同地で行われたアメリカ人知識人やジャーナリストとのさまざまな面会について触れ、次のように付け加えた。「この法案の否決は、アメリカ国民に対する明確なメッセージとなろう。すなわち、アメリカ政府が選択したやり方は失敗に終わったというメッセージだ」。

 これに対して、国会の国家安全保障委員会のスポークスマンは同法案総則に対する賛成を表明し、イラン人学生に対するアメリカ警察の失敬な振る舞いに言及して、次のように述べた。「アメリカの世論状況に関する政府の考え方には、われわれも異論はない。しかし問題となるべきは、イラン国民に対して悪辣な行為がなされた場合、政府は何をしなければならないのか、ということだ」。

 法案に対する賛成・反対双方の議員が発言を行った後、出席した235名の議員により投票が行われ、賛成158票、反対37票、棄権10票で同法案は可決された。同法案総則の可決後、イーラジ・ナディーミー及びアフマド・タヴァッコリーの両議員は、政府との協力、同法案に対する更なる検討、及び包括提案の提示を目的に、同法案から緊急性を取り除くよう求めたが、議員らはこの要請にも反対の意志を表明した。
〔訳註:法案の細則に関して、タヴァッコリー議員らは簡易な審議だけで可決することのできる《緊急法案》ではなく、より慎重な手続きを経て成立する一般法案として審議するよう求めたが、その要求は大多数の議員によって受けいれられなかったということを意味しているものと思われる。なお、タヴァッコリー議員は国会の《原理主義派》の大物議員で、第7期国会で多大なる影響力を有しているとされる。〕

 その後、ハージー=バーバーイー、タラーイーニーク、ファラーハトピーシェの各議員はそれぞれ代案を提示した。それらの代案はいずれも、可決された法案の施行にあたり、政府に一種の裁量権を与え、同法をある意味で穏健化するものであった。これらの提案に対し、政府及び国会の国家安全保障外交政策委員長は前向きな評価を与えたものの、いずれも承認されなかった。国会議員らは、以前委員会で承認された法案に対し、いかなる修正も行われるべきではないとして、頑として譲ろうとしなかった。

 国会担当副大統領は、可決された法案に対して政府が反対を表明してきたことに関して、次のように語った。「われわれにとって、ゲストは大切だ」。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:3937 )