ローマ法王に随行するトルコ人司祭ジュリオ・ムラト(Milliyet紙)
2006年11月24日付 Milliyet 紙
ローマ法王ベネディクト16世が訪土に際し伴う30人のヴァチカン一団の中に、イズミル出身のトルコ人がいる。44歳の司祭“ジュリオ・ムラト”は、枢機卿として昇進すれば、今後法王になるチャンスを掴む可能性のある唯一のトルコ人として知られている。
トルコには、ローマ法王と共に、国務省長官 タルチジオ・ベルトーネ枢機卿をリーダーとした30人の一団が随行する。飛行機に同乗する予定で、イズミル出身のレパント人(トルコ居住の西欧出身者末裔)の家族の息子であるジュリオ・ムラトは、幼い頃聖職者の路に身を投じ、法王庁立の大学で学んだあと1980年代にヴァチカンに入ったことが知られている。
他のすべてのカトリックの聖職者と同様、ムラトも独身である。家族は今もトルコで暮らしている。
■ムラトは4ヶ国語を話せる
ヴァチカンのパスポートとトルコのパスポート両方を持っているジュリオ・ムラトは、領事館での手続きを在ローマのトルコ大使館を通じて進めている。
ジュリオ・ムラトは法王や他のヴァチカン成員同様、数ヶ国語を話すことができる。トルコ語、英語、イタリア語、スペイン語を操り、外務省として認識される国務省で1986年から今日まで外交官として働いている。
ジュリオ・ムラトは、1993年から2002年の間には、インドネシア、パキスタン、ベラルーシ、オーストリアでヴァチカンを代表して外交を行い、2002年から今日まではヴァチカンの中央アジアとの外交を担当する部署の指導を行っている。この先、外国にヴァチカン代表(大使)として任命されることが予定されている。
■枢機卿、法王にもなれる
司祭ジュリオ・ムラトは、今はまだ中級外交官だが、外交官としてのキャリアと並んで、司祭から上の聖職位である司教、大司教、枢機卿の階段も上ることになる。ジュリオ・ムラトは、法王の死後に自分たちの中から法王を選出する100名を超える枢機卿の一人となれば、将来、法王となるチャンスを手にする可能性がある。
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( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:3967 )