スカーフ着用者はでていけ―マラトゥヤの教員大会で混乱(YeniSefak紙)
2006年11月26日付 Yeni Safak 紙
マラトゥヤで教員の日に行われた式典で「来賓者が気を悪くする」と(の配慮で)、スカーフ着用者は退場するようアナウンスがされると、混乱が起きた。積極的な行動をとった職員に反感の声が上がった。
11月24日、マラトゥヤで行われた教員の日の行事の中でおこなわれたアナウンスが物議をかもした。市民教育センターで行われた式典で、スカーフ着用者は会場の外に出された。式典には、第2軍守備隊指揮官のアラエッディン・オルサル少将、共和国検事長ムスタファ・デミルダー、副市長ユスフ・イゼエッディンの他、公的組織の責任者、市民社会組織の代表者、教師、生徒が参加し、式典開始前に、会場にいたスカーフ着用者は外に出るようアナウンスがされた。
■ アナウンスへの反応
このうち、何人かは会場を去ったが、中に残って式典に参加した一部はスカーフを外し、アナウンスに反してスカーフ着用のまま式典に参加した者もいた。式典終了後、スカーフを着用して会場にいた婦人は、式典参加の生徒や教員の親族であったことが伝えられた。
アナウンスの後、スカーフを外して大会に参加した生徒の保護者ネザーハット・アルバルは、「スカーフのことでアナウンスがされたので外しました。私は生徒の保護者なのでもちろんアナウンスを尊重して式典の間スカーフを外しました。外ではまたかぶりましたが」と言った。
■ 来賓者への恐れ
このことは、「国家の要人の反感を買うだろう」という憂慮から行われた「積極的な行動」と受け取られた。県の教育長メフメト・ブルトは式典責任者である支部長スィナーシー・フラトに、「スカーフ着用者を来賓者席から遠ざけるよう君が調整しろ」と言ったが、フラト支部長は担当職員のもとへ行き、スカーフ着用者を退場させるようアナウンスさせたことが分かった。しかし、アナウンスを聞いた教職員組合幹部や何人かの市民社会組織代表者が「スカーフ着用者は教師や生徒の親族だ」と抗議したため、スカーフ着用のまま退場しない参加者はそれ以上干渉されなかった。
公務員労働組合の県責任者シャーヒン・カヤドゥマンは、県の教育長メフメト・ブルトのもとへ行き、アナウンスを行わせた支部長について査問を望むと伝えた。ブルトも、今回の件に関する不満は考慮すると述べた。
■ アナウンスを指示していない
県教育長メフメト・ブルトは、次のように話した。「来賓者席にスカーフ着用の女性が3~5人座っていた。来賓者が気を悪くしないよう、担当職員に気を配れと伝えた。そのあと県知事に会いに席を外した。この間にアナウンスがされたのだ。あとからスカーフを着用していた女性たちは教員の親族であるのを知った。女性たちは、式典が終わるまでそこにいた。私もこのアナウンスで嫌な気持ちになった。兵舎でも宣誓の儀式には母親が来る。そこでも彼女たちは大目に見られている。(ましてや)ここは市民組織だ。」
■ サムスンの二の舞にならないように…
今回のマラトゥヤの事件は、10月29日、共和国記念日の祝福のためサムスンで行われた祝典で起きた「スカーフ着用者への反感」が影響しているのが明らかになった。サムスン守備隊指揮官のナジー・ベシュテペ少将が、会場にいるスカーフ着用者に反感を示し、祝典に参加しなかった。しかし祝典に参加していたスカーフ着用者は、殉職者の母親、配偶者、親族であったことが明らかになり、ベシュテペ将軍は大きな反感を買った。
■ 党員の意見
公正発展党議員アフメト・ミュニル・エルカルは、その当日はマラトゥヤにおり、事件を個人的に調べ、若い教師の親族のスカーフ着用者が教師と勘違いされアナウンスがおこなわれた、と述べた。エルカル議員は、誰も退場しなかったと主張し、「アナウンスのために会場にいた者がスカーフを外したり、退場したりしなかった。会場にスカーフ着用者がいることに抗議して、退場した来賓者もいなかった」として、大げさにすべきようなことはなかったという考えを述べた。
共和人民党のマラトゥヤ選出議員ムハッレム・クルチは、「教員は学校でスカーフをかぶってはならない。しかし、もし教師の親族がこの式典に参加するために来ていたならば、退場させられたことは許しがたい」と話した。
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( 翻訳者:井上さやか )
( 記事ID:3978 )