ハーメネイー最高指導者、ターラバーニー大統領と会談 ハムシャフリー
2006年11月28日付 Hamshahri 紙

2006年11月28日付ハムシャフリー

【ハムシャフリー・オンライン】アーヤトッラー・ハーメネイー・イスラーム革命最高指導者は今日、イラクのジャラール・ターラバーニー大統領と会談し、イラクで懸念されるもっとも重要な問題は、現在の治安の悪化であるとの見方を示した。

 最高指導者事務所の公式サイトが伝えたところによると、ハーメネイー閣下はこの会談で、次のように強調された。「イラクの治安の悪化と殺戮がこのまま続くことは、地域のすべての国にとって災いとなろう。イラン・イスラーム共和国は、イラクの治安確立に向けた支援を、自らの宗教的・人間的義務であると考えている」。

 最高指導者はまた、イラン・イスラーム共和国は安全で発展・繁栄したイラクを望んでおり、イラクの諸都市の治安はイランのそれと同じように考えていると強調した上で、さらに「イラク政府が望むならば、イランはイラクの安定と治安の確立を支援するために、いかなる措置も惜しまない」と付け加えた。

 イスラーム革命最高指導者は、治安悪化を引き起こしている者たちが目指しているのはイラク人民政府を動揺させることである、と強調した上で、「イラクに対して何らかの考えを有しながらも、それが叶えられないでいる者たちが、可能なあらゆる手段を用いて現下の状況を揺さぶろうとしている。彼らはそのために、テロリスト、タクフィール派〔*〕、かつてのバアス党員らを、自らの戦闘員として送りだしている」と述べた。
〔*自らの派に属していないすべてのムスリムを背教徒として宣告し(タクフィール=背教徒宣告)、彼らを死刑に処すことがジハードであると考える過激派のことを指すものと思われる。エジプトの過激派「タクフィールとヒジュラ」から、過激派の代名詞として「タクフィール派」という語を用いたと考えられる。〕

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はまた、イラクを不安定化させている者たちはシーア派とスンナ派の戦いを隠れ蓑にしていると指摘し、「実際には、シーア派とスンナ派は何世紀もの間共生し、彼らの間に敵意などなかったのである」と語った。

 同師はその上で、「もちろん、イラクの現在の状況を作り出した元凶は、アメリカの政策にある。アメリカの政策は、彼らの代理人らによって実行に移されている」と指摘した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、イラクの不安定化を引き起こしている政策が今後も続くならば、イラク国民にとって大いなる災厄となろうとした上で、「このような政策を実行に移している者たちは、サッダームのごとき独裁者を政権の座に就けようと考えている。このような試みは絶対に成功しない」と論じた。

 イスラーム革命最高指導者は、地域に存在する一部のアメリカ分子こそ、このような政策を実行する代理人となって、イラクの治安悪化を引き起こしているとした上で、「イラクのテロ組織を強化し、同国における治安の悪化と殺戮を煽動することは、アメリカ分子にとっても、地域全体にとっても、極めて危険である」と力説した。

 さらに同師は、「アメリカはイラクで決して成功しないだろう。イラク占領を継続しても、何も得るものはない」と論じ、その上で「イラク治安問題を解決するためには、まず最初に占領軍がイラクから撤退し、治安問題をイラク人民政府に委ねることが必要だ」と指摘した。

 同師はまた別の箇所で、イランとイラクが交わした合意をきちんとフォローし、これまで以上の関係拡大に向けてそれらを実行することが重要だと強調した。

 アフマディーネジャード大統領も同席したこの会談で、イラクのジャラール・ターラバーニー大統領は再びイランを訪問できたことを嬉しく思うと述べた上で、イラン・イラク関係の拡大は両国、さらには地域全体にとってプラスとなるとの見方を示した上で、「イラクにおいて治安悪化を引き起こし、人民を殺戮している者たちは、人民政府を擁した民主的な新生イラクの誕生に危機感を抱いている」と述べた。

 同大統領はさらに、イラク治安問題は同国政府の管轄下にはないとした上で、「もしイラクの治安が政府に委ねられるならば、人民勢力を動員することで、治安を完全に確立することができよう」と指摘した。

 イラク大統領はまた、さまざまな段階でイラン・イスラーム共和国がイラク人民に支援の手を差し伸べてくれたことに、感謝の意を表した。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:4003 )