イランの核研究再開:「自主的な停止を解除したにすぎない」 ハムシャフリー紙
2006年01月14日付 Hamshahri 紙

2006年1月14日付ハムシャフリー紙

【政治部】イランがこれまで自主的に行ってきたウラン濃縮関連活動の停止を今後無効にすると決断し、一部の核研究施設の封印を解除したことに対し、ヨーロッパとロシアの反応がテヘランにも伝えられた。

 緊急会合を開いたイギリス、ドイツ、フランスのヨーロッパ3カ国の外相は木曜日、EU共通外交・安保政策上級代表ハビエル・ソラナ氏とともに、イランの核問題を安保理に付託する意向を明らかにした。安保理付託の実施にはIAEA緊急理事会の招集が必要とされているが、いまだ招集を求める声は上がっていない。

 分離案〔*〕を11月に提示し、ここ2日間、イランとの間で打開の見出せない協議を続けていたロシアも、イランが自主的に行ってきた活動停止を今後も継続するよう要求している。
〔*訳者注:核兵器開発につながるウラン濃縮作業をイランに認めない代わりに、核燃料の供給を保証するとの提案〕

 これに対し、核研究はイランの研究プロジェクトの一環であり、NPTのすべての締約国がその権利を有しているというのがイランの国会議員らと外相の主張である。マヌーチェフル・モッタキー外相はヨーロッパに対し、早まった反応を示さず、より論理的な対応を行うよう求めている。

 アリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記は、CNNとのインタビューの中で、イランはロシア側の提案について真剣な検討を続けており、一ヶ月後にモスクワで協議が再開されるまでには、より完成度の高い提案が提示されることを期待していると明言した。 同書記はまた、「核問題の先鋭化に対する懸念を払拭するために、ロシアやヨーロッパと協調をはかっていきたい」と語った。

国家安全保障評議会・国際安全保障問題副担当で、IAEAイラン代表団団長のジャヴァード・ヴァイーディー氏もまたSIMA(イラン国営テレビ)とのインタビューの中で、イランは先週火曜日から研究活動を再開しているが、自主的な停止を解除したに過ぎないため違反だとして非難されるいわれはないと述べた。同氏はまた、イランが相互の協力と信頼醸成を求めているにも拘わらず、ヨーロッパ側は一方的な信頼関係ばかりを強調していると批判した。

ヴァイーディー氏はさらに、イランは前提条件に基づく交渉には反対であり、万が一他国でウラン濃縮が行われることになった場合には、もはや交渉の必要性すらなくなるだろうと強調した。

(後略)


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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:1718 )