2005年、トルコ各地の博物館で文化財盗難事件が急増(Milliyet紙)
2006年01月16日付 Milliyet 紙

 盗難事件の増加が博物館にも波及し、文化財盗難事件が100%以上の増加をみせたことが明らかになった。2002年には151点、2003年には160点の文化財が博物館から盗まれたが、2004年には361点が盗難に遭った。
 2005年のはっきりした盗難件数は公表されなかったが、盗難に遭った博物館をみると、事態は楽観視できるものではない。被害を受けた博物館の中には、トプカプ宮殿博物館、イズミル考古学博物館、そしてミラス博物館、ウスパルタ博物館、スィヴァス博物館も含まれている。

■最も多くがトプカプ宮殿から
 2005年に盗難被害に遭った博物館の筆頭はトプカプ宮殿博物館である。2005年6月27日にはバグダート・キオスクの「ターバンの間」から9点の美術品が盗まれた。この事件から15日後には、別の窃盗未遂犯を、博物館の外部警備を行っていた兵士が捕まえた。宮殿関係者は、盗難の被害が8点だったことを明らかにした。その数ヵ月後、盗まれた美術品があるモスクの庭園で発見された。
 袋詰めにされていた美術品を警察が数えた結果、その数が9点であることが分かった。それによって、トプカプ宮殿関係者が、盗難に遭った「もう1つの美術品」に気付いていなかったことが判明した。このスキャンダルによって、博物館の内部事情があらわになった。

■防犯カメラと警報装置がない
 被害にあった博物館の全てに共通する特徴は、防犯カメラと警報装置が設置されていないことだ。なかには、トプカプ宮殿博物館のように警報装置が数年間故障していたところもある。最大の悩みの筆頭には、職員の不足がある。警備員も部門責任者も存在しないため、これらの博物館では防犯はカメラや警報装置にゆだねられている。

■盗難被害を受けた博物館
 文化観光省のウェブサイトでは、盗まれた文化財の写真とともに博物館名が掲載されている。
被害を受けた博物館は以下の通り
・ミラス博物館…ビザンツ時代の円柱の柱頭、ローマ時代のコリント式円柱の柱頭、諸候国連立(ベイリック)時代に属する墓石
・イズミルのアゴラ遺跡…彫像の頭部と灰皿
・ディヴァン文学博物館…コーラン
・サークップ・サバンジュ博物館庭園…チェシュメ(水飲み場)の上部装飾と下部
・オルハン・ガーズィ廟の棺のふた
・ウスパルタ博物館庭園…大理石製の棺の一部
・スィデ博物館局…ローマ時代の石灰石のキーストーン
・アンフォラ博物館…4点の文化財
・レオディキヤ古代都市の発掘倉庫から…9点の試作品
・トプカプ宮殿博物館…8点の文化財
・ニーサ遺跡の劇場j…大理石製フリーズの一部分
・ミレト博物館…オストテック型、バルバル型の墓石
・スィヴァス博物館…2点の文化財


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( 翻訳者:岩根 匡宏 )
( 記事ID:1722 )