宗務庁、巡礼時の死者対応のため、イスラム会議機構の緊急召集を提案(Milliyet紙)
2006年01月16日付 Milliyet 紙

 宗務庁は、この10年間でメッカ巡礼(ハッジ)において1,500名の生命が失われたことを発表し、イスラム会議機構が生命の安全について決議を行う必要があると述べた。

 宗務庁は、イスラム会議機構に対し、巡礼中に発生した死亡事故のため「緊急会議の開催」を提議した。メフメト・ギョルメズ宗務庁副長官は、この10年のうちに1,500名に及ぶ巡礼者の生命が失われたことに対し、もはやこのペースにブレーキをかける必要があると述べた。
 ギョルメズは巡礼期間終了の際、イスラム会議機構を緊急に召集し、巡礼における生命の安全対策を強め、問題解決のために明確な決定を下す必要があると述べた。
フィクレト・カラマン宗務庁副長官は、宗務庁が巡礼の際に設置した病院では、薬や用具を保存する保冷貯蔵室があると指摘したが「しかし、亡くなられた巡礼者を一時的に安置するための自前の死体保管所はない。そのため亡くなられた巡礼者は、サウジアラビアの病院の死体保管所に一時安置されている」と述べた。

■宗務庁は警告した
 ミナーにおける悪魔への石投げ儀式に群集が殺到して何百もの人々が死亡した件に関し、宗務庁が巡礼者に警告していたことが明らかになった。宗務庁が巡礼者に配布した冊子では、悪魔への石投げ儀式に関連し「石投げは、大変な混雑となり人々が殺到する昼間の時間帯の代わりに、混雑しない夜か朝の時間帯が望ましい」と呼びかけていた。
 冊子の「警告」という題の章には、次のような表現が使われていた。「人々が殺到した結果被った災難、苦痛、負傷、さらに死亡事故は、巡礼の精神とは相容れない。ご利益を得ようとするイスラーム教徒が、人々の死をもたらすということは、宗教上絶対に認められない。この根本的原因は、教育や知識、事前の用心が不足しているためである」。

■巡礼者が帰国
 巡礼の義務を終えた市民が続々と帰国している。昨日は425名の一行がサウジアラビア航空機でアダナ空港に到着した。近親者を待つ人波が事故の原因とならないよう、ターミナルでは機動隊が出動して措置が講じられた。巡礼者のカミーレ・ウイサル(47)は、コンヤに戻る際、機内で糖尿病による昏睡状態に陥り、助からなかった。この悲報は空港で待っていた近親者たちに伝えられた。



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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:1724 )