中国大使、カスピ海=北京間石油パイプライン敷設案を提示
2006年01月18日付 Sharq 紙

2006年1月18日付シャルグ紙4面

【レザー・ザンディー】中国政府は、カスピ海の石油資源の獲得を目指している。中国大使は昨夜、カスピ海石油会社の代表取締役とともに石油省のゲストハウスを訪れ、COSL(チャイナ・オイルフィールド・サービス=中海油田服務)と北部掘削会社との間でかわされた三千万ドルに及ぶ契約に署名した。同契約では、中国側が《イラン・アルボルズ》油田掘削浮遊式プラットフォームの運営・管理や修繕、維持などの作業を、北部掘削会社と共同で行うこととなる。

 《イラン・アルボルズ》油田掘削プラットフォームは、カスピ海上での掘削を目的として、Sadra(サドラー=イラン海洋工業会社)社とスウェーデン企業により、現在建設が進められている。Sadra社はバフマン月12日(西暦2月1日)までに掘削プラットフォームを引き渡す予定であるが、カスピ海石油会社の油田探査責任者によると、引き渡しの時期はずれ込む見通しだ。

 《イラン・アルボルズ》油田開発では、まず最初に石油探鉱用の油井をカスピ海に掘る予定で、昨夜の契約調印で中国企業のCOSLがその任を負うことが決まった。

(中略)

■ 中国の新たな提案:カスピ海=北京間パイプラインの敷設
 中国大使は、中国政府が掲げるさまざまな政策について説明する中で、「他国の内政には干渉しないというのが、われわれの基本政策である」と主張した。

 Lio G Tan大使は、中国は年間1億7000万トンの石油を生産していると述べた上で、「急成長を遂げている中国経済にとって、エネルギーは必要不可欠だ。われわれは昨年1年間で、イランから50億ドルの石油を輸入している」と語った。

 中国大使は、今回の契約は、額から言えば、過去3年間で最小規模であることを認めたうえで、「しかしながら今回の契約の重要性は非常に高い。なぜなら、今回の契約締結により、イランと中国はカスピ海での協力拡大に向けた大きなステップを踏み出したからだ」と述べた。

 中国大使は、カスピ海での石油掘削の重要性は決してペルシア湾のそれには劣らないとの見方を示した上で、「長旅も最初の一歩から始まる」との外交辞令を口にした。大使のこの発言は、カスピ海油田に関し、中国が長期計画を用意していることを意味する。

 「イラン大使としての任務を終える前に、カスピ海の石油がパイプラインを通じて中国に届く様子を目にしたいものだ」。実際、大使のこの発言は、カスピ海とその石油資源の開発に向けてイランと協力を行っていくとの中国の新たな戦略を明確に表している。

■ 中国大使:「核問題はIAEA理事会において解決されるべきだ」
 駐イラン中国大使の最後の発言は、より政治的領域に関するものであった。「われわれは皆、世界的な脅威に直面している。われわれは、イランができるだけ早く、強くたくましい国になることを願っている。なぜなら、中国とイランは共に、超大国の脅威にさらされているからだ。超大国に立ち向かうためには、経済関係の早急な拡大が必要だ」。

(後略)

Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:1736 )