ムバーラク大統領、カザフスタンを訪問(アル・アハラーム紙)
2006年11月08日付 Al-Ahram 紙
■ ムバーラク大統領、カザフスタンのナザルバエフ大統領と和平プロセス推進の緊急の必要性と二国間関係の前進で合意
■ エジプト―中国首脳会談、両国家間のバランスのとれた通商関係の発展と投資増大の実現を求める
■ ムバーラク大統領:「観光、投資、エネルギーの分野における協力の強化で合意した」
■ ナザルバエフ大統領:「我々は30の協定に達した」
2006年11月08日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【アスタナ:ウサーマ・サラーヤ】
昨日、成功裏に終わったムバーラク大統領のヨーロッパ・アジア歴訪の3箇所目にして最後となる訪問地、カザフスタンの首都アスタナで、エジプト-カザフスタン首脳会談が行われた。
ムバーラク大統領はカザフスタンのヌール・スルターン・ナザルバエフ大統領と、両国間の関係強化と中東地域における最新情勢について協議を行った。
ムバーラク大統領は昨日、5日にわたった中国訪問を終えたばかり。中国では胡錦濤国家主席と首脳会談を行い、戦略的な協力関係を促進することを確認した。また二国間協力の分野をさらに開拓し、両国間通商におけるバランスの取れた成長と相互投資の増大実現のための政策を採ることも確認した。
アスタナで首脳会談後に行われたナザレバエフ大統領との共同記者会見でムバーラク大統領は、カザフスタン訪問は両国間の友好的で協力的な関係の深さと、対話と協調の継続に対する両国の熱意の反映であると強調した。
またムバーラク大統領は有用で建設的な協議を通じて通商、経済、投資、エネルギー、観光などの分野における協力関係をさらに前進させ、強化する方策について話し合いがなされたことを明らかにした。
加えて会談では中東および中央アジアの情勢やそれらの地域における大量破壊兵器撤廃に向けた両国のイニシアチブなど、様々な問題における両国家の立場の一致が明らかなったとも述べた。
「特に喜ばしいのは、地域の安定及び安全を実現するために中東和平プロセスを前進させる緊急の必要性があるという点で両国の立場が一致したことだ」とムバーラク大統領は述べた。
また大統領は世界貿易機構(WTO)へのカザフスタンの加盟を歓迎し、さらに(両大統領の名前を冠した)ヌール-ムバーラク大学を発展させて、両国間における文化面、教育面での協力を強化することへのエジプトの関心を明らかにした。
ムバーラク大統領はナザルバエフ大統領にエジプト訪問への呼びかけを改めて行い、カザフスタン大統領は来年にその呼びかけに応じると約束した。
両国関係についての質問に答えてムバーラク大統領は、「我々は二国間関係を強化し両国間の文化交流を増大させるために、様々な分野を開放しつつある。またわが国が小麦を輸入に頼っていることを考慮して、今後はカザフスタンからも小麦を輸入する。両国の経済的利益につながる多くの協力分野がある」と語った。
文化面における関係について尋ねられると、「我々はスルタン・ザーヒル・バイバルス・モスクの修復に関心を寄せているし、この先もわれわれの間には文化的協力のための多数の分野があるであろう」と語った。
一方、ナザルバエフ大統領はムバーラク大統領のカザフスタン訪問を歴史的と評し、これによって両国家間の関係が強化されるであろうと述べた。
そして通商・経済協力のために合意した協定の合計は30に達することを明らかにした。
カザフスタンにおけるエジプト労働者の雇用に関する本紙の質問に答えてナザルバエフ大統領は、「現在わが国は経済の見直しを行っている最中であり、わが国はより多くの労働力を必要としている。現在のところ労働者の出身地は中央アジアとその近隣諸国に集中している」と語った。
またカザフスタンはムバーラク大統領とともにパレスチナ問題の解決のために行動すると明言し、ムバーラク大統領を和平に貢献する賢明な指導者であり、和平プロセスに影響を及ぼす役割を持った人物だと評した。
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( 翻訳者:平寛多朗 )
( 記事ID:3864 )