専門家会議選挙をめぐる各派の動き パート2
2005年12月25日付 Sharq 紙

2005年12月25日付シャルグ紙2面

【政治部】来年行われる予定の専門家会議選挙について、イスラーム連合党中央評議会評議員であるアサドッラー・バーダームチヤーン氏より、最新の発言が見られた。同氏はその中で、「権力をふりかざす抑圧者は、公正なる最高指導者を選出する同会議に、自らの影響力を浸透させようと企てている。それゆえ、抑圧者は極めて真剣に、次期専門家会議選挙に入りこもうとするだろう」との考えを示した。

 バーダームチヤーン氏はさらに、次のように語った。「専門家会議は、誰もがその議員になることができるようなものではない。人々は、宗教指導者であれば誰にでも票を投ずることができるわけでもない。専門家会議の議員は、公正な最高指導者を選出できるような人物でなければならない。信仰心が篤く、神を敬い、政治的雰囲気に流されない人物でなければならない」。

 イスラーム連合党にとっての選挙戦はこうして始まったが、このようなニュースはそれより以前からすでに伝えられていた。しかし、より注目に値する動きとして、《革命諸勢力調整評議会》が、専門家会議選挙に向けて新たな活動を開始していたことが挙げられる。数日前、イラン学生通信(ISNA)は、様々な発言や伝聞などから、同評議会の活動が開始されたことをすでに伝えていた。さらにそれ以前にも、革命諸勢力調整評議会のメンバーらがアリー・アクバル・ナーテグヌーリー師と会談、同師がその会合の中で演説を行ったとのニュースが伝えられている。

 同会合に関して伝えられたところによると、同評議会はすでに活動を開始しているが、最高指導者専門家会議について何か特定の多数派工作が行われているのか否かについては、これといった情報は報じられていない。これに対して、《イマームと最高指導者の路線に従う戦線》のスポークスマンを務めるサッジャーディー氏は、専門家会議選挙は革命諸勢力調整評議会の今後のプログラムの一つとして組み込まれているが、様々な党派が熱心に選挙戦に参加し、その過程で選挙のためのプログラムづくりにいそしむことは至極自然なことであり、警戒感を喚起するようなものではない、との見方を示している。

 革命諸勢力調整評議会の活動が活発化するのと時を同じくして、アーヤトッラー・モハンマド・タギー・メスバーフ=ヤズディーの思想を奉ずる党派もまた、活動を開始していた。このことについて、革命勢力調整評議会の会合は〔この動きと〕連動しており、氏名・詳細の不明なメンバーらの参加の下開かれている、との報道もある。メスバーフ=ヤズディー師の思想グループに属し、来年の最高指導者専門家会議選挙への立候補を目指している一部の候補者たちは、立候補を予定している選挙区で一連の講演会をすでに始めていると伝えられている。メフル通信の報道によると、「ゴムのイスラーム神学校の学者で、アーヤトッラー・メスバーフ=ヤズディーの門下生であるセイエド・メフディー・ミールバーゲリー師は、シャーフルード市で集会を開いた。同師は、専門家会議選挙にセムナーン州から出馬する予定であると伝えられている」という。

 右派の活動は、メスバーフ=ヤズディー師の路線とは別であると見る向きもある一方で、バーホナル国会副議長はこのような見解を否定し、メスバーフ=ヤズディー師はゴム講師協会と近い関係にあると指摘している。同氏は「メスバーフ=ヤズディー師の名の下に行われている全ての活動は、それが政治的な活動をも志向するものであるとしても、恐らくゴム講師協会に極めて近いものだ」と語っている。

 《闘う宗教指導者協会》のスポークスマンを務めるゴラーム・レザー・メスバーヒー=モガッダム師も、このことについて、新たな党派が作られようとしているとの見方を否定し、「メスバーフ=ヤズディー師が《闘う宗教指導者協会》や《ゴム講師協会》から分離する傾向にあるというのは、正しくない。同師の専門家会議選挙での活動は、これらの協会の枠組みに沿ったものだ。専門家会議選挙に参加するにあたり、何らかの独立した活動ないしは集団を有しているわけではない」と語る。

 メスバーフ=ヤズディー師の門下生の一人も、このような分派的傾向の存在を事実ではないと主張する。メスバーフ=ヤズディー師監督下にある教育機関のメンバーであるモフセン・ガルヴィヤーン師は、メスバーフ=ヤズディー師の「思想的地平」は、《ゴム講師協会》や《闘う宗教指導者協会》のそれと同一であると強調している。

 メスバーフ=ヤズディー師が保守派と対立することになるのか否かが、保守派の間で議論されている一方、改革派も専門家会議選挙に出馬する候補者を、指導者らの合意によって用意すべく、準備を始めている。実際、どのような条件下で選挙戦に参加するのか、あるいはどのような人材を候補者として擁立するのかについて発表するのに、改革派勢力はそれほど苦労はしないだろう。というのも、「今回の専門家会議選挙では、保守派同士の間で問題が生じるだろう」と彼らは見ているからである。ハーディー・ガーベル氏はこのように述べ、保守派とメスバーフ=ヤズディー師の分裂・対立について指摘する一方、改革派の活動については一切コメントせず、「改革派はつねに、資格不認定という問題と格闘している」と言及するにとどめた。

 その一方で、《ゴム講師研究者会議》の事務局長を務めるホセイン・ムーサヴィー=タブリーズィー師は、同集団が《闘う宗教指導者会議》と、専門家会議選挙について協議中であり、そのことに関連してセイエド・ムーサヴィー・ホイーニーハー師と会談したことを明かしている。しかしながら、《ゴム講師研究者会議》と《闘う宗教指導者会議》が選挙戦で連立を組むのか、それとも別々に選挙に臨むのか、はっきりとした結論には達していないのが現状である。これまでほとんどの党派が、専門家会議選挙への参加の意向を示しているだけで、今後の連立やプログラムについて語っている党派はまったくない。

 このような中にあって、国民信頼党の事務局長代理を務めるラスール・モンタジャブニヤー師は、最高指導者専門家会議に《硬直化》の危険性が忍び寄っていると懸念を表明し、次のように述べている。「専門家会議に《硬直化》の危険性が侵入することになれば、ヴェラーヤテ・ファギーフ(法学者の統治)と体制に様々な害を及ぼすことになろう。それゆえ、体制に共鳴する者たちは、このような硬直化の潮流が社会に浸透することを防ぐべく、専門家会議選挙に積極的に参加することを、自らの義務と心得るべきである」。

 モンタジャブニヤー師は、《硬直分子》と《反動分子》の跋扈こそ、国の《硬直化》傾向の象徴であるとした上で、「反動分子はここ数年、自らの勢力を伸ばしてきている。彼らは預言者ムハンマド一門による統治を掲げつつ、社会に様々な迷信を広めている」との考えを示した。同師は、このような理由からも、積極的に専門家会議選挙に参加するよう、体制に共鳴する者たちに訴えかけた。モンタジャブニヤー師はまた、専門家会議選挙に向けた連合体の結成については触れることなく、ただ国民信頼党は出来たばかりの政党であり、組織づくりに力を注いでいるところであると述べるにとどめた。

 いずれにせよ、右派にあっても左派にあっても、特定の連立形成の動きはいまだ見当たらないものの、今後専門家会議の選挙戦では紆余曲折が予想される。これまで明らかとなっているのは、右派陣営では、一方で革命勢力調整評議会が、他方で
メスバーフ=ヤズディー師が、活動を開始したということである。

 大半の改革派の見解とは反対に、右派陣営のこの二つの流れは、相交わることのない別個の二つの路線であるとは考えにくく、そればかりか、特定の時期になれば、共通の一点へと収束することになると思われる。というのも、これら二つの党派の源では、一つの堅固な統一性が保たれているからである。

 他方、もし改革派が大統領選のときに選択した手法を、そのまま専門家会議選挙でも用いるならば、この選挙戦においても彼らにとって望ましい結果が得られないであろうことは、想像に難くない。とはいえ、来年の専門家会議選挙までは、時間は十分残されており、今後様々な変化が予想される。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:1625 )