ファジュル映画祭の開催に対する警鐘 ハムシャフリー紙
2006年12月05日付 Hamshahri 紙

2006年12月5日付 ハムシャフリー紙
[文学芸術部]イランは常に中東における重要な映画大国であった

イラン映画に対する世界の評価や、近隣諸国が映画制作を全く行っていないことを別にしても、長年、映画祭においてイランと肩を並べる国はない。1350年代(1970年代)もテヘランの映画祭は実際、アジア大陸の映画関係の最も権威ある祭典とされてきたし、革命後もファジュル芸術祭はテヘランにおいて映画が脈々と発展している要因となっている。

ファジュル映画祭は近隣諸国にライバルがいないことに起因して様々な批判点があがっているにもかかわらず、中東における唯一の映画祭とみなされている。

この数年、アラブ諸国は石油収入によって、映画産業においても、我々の後を追っている。最近ではドバイ映画祭が2回にわたって、賑やかにまた非常な浪費とともに開催された。ついですぐに3度目の映画祭が開催される。

通信社の一部は、3年の歴史しか持たない映画祭も、今年で25年目を迎えるファジュル映画祭の大きな脅威であると見ている。

興味深いことに、オリバー・ストーン監督が来賓としてドバイに呼ばれ、新作映画「世界貿易センター」の宣伝を目的に映画祭に参加することになっている。なお、議論を呼んでいる映画「一国大統領の死」もこの映画祭に出品されることになっている。

アレクサンダー・ゴンザレスの「バベル」も中東で初めてドバイの映画祭に登場する予定である。
また今年もこれまでの2回と同じように、ハリウッドの多くのスターがドバイにおとずれ、この芸術祭の赤い絨毯を歩くはずである。

ドバイの映画祭はアーザル月(12月)に開催されるが、それはどの映画祭と重なることもない、適当な時期である。

今年特別招待客としてドバイに赴くオリバー・ストーン監督は、ファジュル映画祭本部が数年前、彼のために特別なイベントを設けてその作品を上演した監督であり、それも彼がテヘランに来ないなかで実現されたのだった。

これらはアラブの石油収入や莫大な浪費によって達成されたのだが、話はそれだけではすまない。ひとつの映画祭に対する信頼は、経済的な可能性によってもたらされるだけではなく、適切な運営・施策が大きな役割を演じるのである。

映画というものを全く持たない国による新しい映画祭が、信頼あるイラン映画祭に警鐘を鳴らしている。このことは、我々がここ数年、必要とされるような施策を示してこなかったことを意味しているのだ。

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( 翻訳者:緒方萌 )
( 記事ID:4089 )