アサド大統領、きょうプーチン大統領と会談(アル・ナハール紙)
2006年12月18日付 Al-Nahar 紙
■ アサド大統領、きょうプーチン大統領と国際法廷、パレスチナ、イラクについて協議
2006年12月18日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【AFP、ロイター、UPI】
シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は今日モスクワへの公式訪問に出発し、ロシアのウラジミール・プーチン大統領と、レバノン・イラク・パレスチナ情勢に焦点を当てた協議を行なう予定である。モスクワは、アサド大統領が今回外遊を行なう中で、アラブ首長国連邦、イエメンに続く3ヵ国目の最終訪問地である。
ロシアのダマスカス駐在外交官であるエフゲニー・プスコフ氏は、「アサド大統領は2005年以来となる2回目のモスクワ訪問を行い、プーチン大統領と中東における『困難な状況』とこの地域における『危機の解決方法』を協議することになっている」と明らかにした。
アサド大統領の訪問は、フアード・アル=セニョーラ政権の辞任を求める反対派勢力のデモが組織されたレバノンにおける政治的危機を背景として行われるものである。
数日前にはアサド大統領に先立ちセニョーラ首相がモスクワを訪問した。金曜日にはセニョーラ首相が、モスクワで提示した「あらゆる問題において」プーチン大統領から援助を得たと明らかにしている。
同外交官が述べたところによると、アサド大統領とプーチン大統領は、ラフィーク・アル=ハリーリー元首相暗殺の容疑者を裁判するための「国際的な性格を有する法廷の設置計画」に言及する予定だ。
2005年7月以来、国連の国際調査委員会は、シリア軍が未だレバノンに展開していた2月14日にベイルートで実行されたこの暗殺事件の調査をしてきた。シリア政権はこの暗殺へのいかなる関与も否定しているが、ハリーリー首相の暗殺から2ヵ月後の2005年4月にシリア軍がレバノンから撤退して以来、レバノン・シリア関係は悪化した。
プスコフ氏は、プーチン大統領はアサド大統領に対して、調査を継続し国際法廷を設立すべきだが、「それはシリアに対し圧力をかける道具として用いられるべきではない」とのモスクワの意向を明言するだろうと述べた。
イラクもまたシリア・ロシア首脳会談の議題となる予定であり、イラク研究グループの報告書がアメリカのジョージ・ブッシュ大統領に、ワシントンが中東における敵とみなしているシリア・イランと対話を始めるよう助言していることについても話し合われる予定である。
同外交官は、「両首脳は、シリア政権と亡命先のシリアに滞在中のイスラーム抵抗運動『ハマース』のハーリド・マシュアル政治局長の関係についても話し合う予定であり、この訪問は経済的というより政治的なものになるであろう」と述べた。
ロシアの複数の新聞は「ロシアは中東における問題の解決に寄与することを通じて中東で果たす政治的な役割を回復するため、あらゆる方法をとるであろう。シリアは地域における主要国の1つであり、その現実はロシアだけでなくアメリカも認めており、シリア政権と協議することなしにイラクの状況を解決することはできないと考えている」と論評した。
「世界政治におけるロシア」誌のフョードル・ルキヤノフ編集長は、「(ロシアは)アサド大統領との主要な対話者としての役割を単独で担うことを願っている」と記した。
(後略)
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( 翻訳者:新谷美央 )
( 記事ID:4187 )