拷問に関するレポート―内務省の敗訴は29件(Radikal紙)
2006年12月24日付 Radikal 紙

内務省は拷問を理由として訴えられた115件の賠償訴訟のうち、29件で敗訴し、75万新トルコリラ(YTL)(約6300万円)を賠償した。実行者(である末端の職員)は、全く罰せられなかった。

拷問や虐待問題は、EU加盟のプロセス以外でもトルコにとって悩みの種だ。拷問をした者の代わりに組織に対して訴訟を起こす権利が被害者に認められた2002年以降、内務省は115件の賠償訴訟を抱えている。これらの訴訟のうち29件は内務省の敗訴となった。内務省は敗訴した29件で被害者に約75万YTL(約6300万円)の賠償金を支払った。さらに、支払われた賠償金の負担を求めて取消訴訟できるような職員はいなかった。敗訴した29件のうち、取消訴訟を起こすことができたのは3件のみだった。

法令4738号の国家公務員法の13条はEU加盟のプロセスで変更された。問題の条項は2002年3月26日付けで変更され「人は、民法に則った業務に関連して受けた被害について、その業務を行った職員ではなく、その関連組織に訴訟を起こすことができる」という条文を追加した。

この変更後、拷問や差別的処遇、非人間的処遇、尊厳を傷つける処遇を与えた罪について、トルコの裁判所および欧州人権裁判所の下した判決に基づき拷問・虐待行為に対し支払われた賠償金を、関係した職員に負担させる取消訴訟が行われるようになった。内務省のデータによれば、国家公務員法の13条が変更されてから、今までに地方行政裁判所では合計で115件の訴訟で内務省が訴えられた。

■51件は係争中
これらの訴訟のうち29件は内務省が敗訴した一方、35件は棄却された。51件は今だ係争中である。内務省は敗訴した29件で、原告に対する約75万YTLの賠償金の支払いを余儀なくされた。同時に法廷では内務省に対して16件の訴訟が起こされた。これらの訴訟のうち7件が棄却された一方、9件はまだ係争中だ。内務省は支払った賠償金によって国庫に生じた損失を埋めるため、3件の訴訟案件に直接関係した職員3名に対し取消訴訟を起こした。しかし、これらの訴訟はまだ決着がついていない。

■拷問をした者は罰せられず
警察本部の統計によれば、拷問や虐待をした者が裁判上にも行政上にも罰せられていないという。警察のデータによれば、拷問・虐待をしたとして2005年は警察官181人に関して訴訟が起きた。
これらの訴訟のうち116件は根拠がなく、また30件は無罪と判決が出た。35人の警察官に関しては、2005年の訴訟がまだ続いている。
2006年の上半期は、拷問や虐待によって訴訟を起こされた警察官の数は24人と減少した。この訴訟の全てで警察側が勝訴した。19人の警察官に関しては根拠なし、5人の警察官に関しても無罪の判決が出た。警察本部が2005年は93人、2006年の上半期は30人の警察官に関して行った行政調査の全てで「罰則を下す必要なし」との決定が出ている。


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( 翻訳者:松岡聡美 )
( 記事ID:4206 )