パレスチナ・イスラエルのガザ地区における衝突緩和合意が発効(アル・ナハール紙)
2006年11月27日付 Al-Nahar 紙

■ ガザ地区におけるパレスチナ・イスラエルの衝突緩和は和平交渉への扉を開くのか?

2006年11月27日付アル=ナハール紙(レバノン)HP一面

【AFP、AP】

 ガザ地区での衝突が激化してから数ヵ月後、アメリカのジョージ・ブッシュ大統領がヨルダンに到着する2日前にあたる昨日の朝6時から、イスラエルとパレスチナ各派の衝突緩和合意が発効した。イスラエル軍はガザ地区北部から撤退し、エフード・オルメルト首相は合意の発効後にミサイル攻撃が行われているにも関わらず[反撃を]自制するよう命令するとともに、合意によって政治的解決への視野が広がるとの考えを示した。パレスチナのマフムード・アッバース大統領はパレスチナ治安機関に対して、ガザ地区とイスラエルの間の境界線付近における警備の強化を命じた。パレスチナ各派は合意における双務性の原則を強調した。パレスチナのイスマーイール・ハニーヤ首相は、パレスチナ各派はすべて、休戦当初の違反行為が発生した後、これを遵守することに合意したと発表した。

 パレスチナ治安機関の隊員たちはヘルメットと防弾服を身に着けてガザ地区の境界線付近でパトロールを行った。ある責任者によれば、隊員1万3千人がミサイル発射阻止のために配置されたという。

 パレスチナ大統領の軍事顧問であるアブドゥッラーズィク・アル=マジャーイダ氏は、「パレスチナ治安機関は停戦を履行し、これに違反するものに対しては必ず処罰を加えるよう厳重な命令を受けている」と強調した。

 この衝突緩和が遵守されれば、アッバース大統領とハニーヤ首相が挙国一致内閣樹立のための交渉を終える助けとなるかも知れない。パレスチナの人々はこれによって、3月にハマースが政権を掌握してから西洋諸国が実施している制裁措置が緩和されることを期待している。

 6月25日にパレスチナの3組織が「拭い去られた幻想」作戦においてイスラエル軍兵士ギラード・シャリットを捕虜にした直後からイスラエル軍のガザ地区に対する「秋の雲」作戦が始まって以来、パレスチナ人400人以上が死亡しており、そのおよそ半数が活動家である。またこの作戦の間にイスラエル軍兵士3人と民間人2人が死亡している。

 イスラーム抵抗運動「ハマース」のハーリド・マシュアル政治局長はエジプトのテレビ局のインタビューに対して、「パレスチナ国家の樹立のために8ヶ月から1年の猶予期間を設けるが、その後は新たなインティファーダにうったえる」と述べた。



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( 翻訳者:望月美奈 )
( 記事ID:4032 )